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草笛光子を観る…407日目

 1日)能登地震発生から半年。
 1日)藤井聡太七冠、棋聖5連覇により、21歳11か月で史上最年少「永世」称号を獲得
 明日は20年ぶりの新紙幣発行

映画『九十歳。何がめでたい』を観る

 映画『九十歳。何がめでたい』(原作・佐藤愛子、監督・前田哲)を観る。昨年100歳の誕生日を迎えた直木賞作家・佐藤愛子のエッセーがもと。
 90歳・草笛光子が好きなのだ。元気だから、かっこいいから。
 と、知人に言ったら、その人は、この映画原作の主人公、佐藤愛子が好みでないという。ふむ。
 暑さの中辿り着いた映画館は、昼間から、いや、シニア層が動く平日昼間だからこそか、おばちゃんおじちゃんで大盛況。まあ、ものすごい宣伝しているようだしな。自分も他人のことは言えないものの、明らかに自分より年上の方々が中心。あたいは白髪頭だらけ、杖をつく人、カートを準備する人、手すりを持ち、腕を支えられ、ゆっくり歩む人々。

 さて、映画。始まった瞬間に
 「草笛光子90歳記念」とかなんとか出る。おにょにょ。
 そういえば、草笛光子は単独主演は初とか。自分からすると、『犬神家の一族』あたりから、怪しい田舎の旧家で着物を着てどん!と構えているイメージ。同世代の「美人系、かわいい系」女優が高齢化で存在感を減らしていく(あるいは亡くなる)中、なぜか、どんどん存在感を増して今にいたるような。

 この映画は、草笛光子を好きでないと観られない。彼女のドアップがやたら多いのだ。
 ところで、「若い」な。実年齢90歳とは思えない。90歳になって動くのも面倒になった佐藤愛子を「どっこいしょ」的に演じているわけだが、鍛えて動きの良い草笛が、動きのとろい女性を「演じている」のがわかる。すごいな。肌つやもよくて、90歳とは思えないぞ。そりゃ、美容医療もしているのだろうが、それにしても。
 2022年に観た『プラン75』の倍賞千恵子(撮影時80歳くらいか)の方が、完全に「枯れていた」。それはそれでよかったが。

 一方の主役は、編集者の唐沢寿明、実年齢61歳。うわ、若いぞ。頭髪は白髪交じりの少し薄い感じでぼさぼさ感を出しているが、腹が出ていない。さうが、俳優。まあ、いいんだが。

 中身はコメディであり、そんなに凝ったものでなく、わかりやすく、山も谷もおちもあり、楽しめた。
 最後に「佐藤愛子は2023年、100歳になった」と出て、座席から「ほーっ」と驚きの声が出て、幕。
 佐藤愛子ありきの映画だが、佐藤を知らずとも、草笛光子を楽しめた。よき。

 にしても、佐藤も草笛も、あと何年元気な姿を観ることできるのだろうか、と思うと、心が少し、シュンとした。ああ、生きてきたんだね。生きてきたから見られた光景の中にいるんだね。
 
 おふたりとも、ありがとうございます。及ばずとも、自分も生きてみよう。

 皆さまのご健康を。

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