兵庫県知事選で斎藤氏再選、私の「違和感」の整理…545日目
11/17投開票の兵庫県知事選、パワハラ疑惑などで失職の斎藤元彦氏(47)が再選。投票率55.65%。
当選おめでとうございます。
得票は斎藤元彦111万3911票、次点の稲村和美氏(52)97万6637票。
“勝手連”的に斎藤氏擁護に回った立花孝志氏(57)(「NHKから国民を守る党」党首)は5位、1万9180票。
同県議会の百条委員会、11月25日予定の証人尋問で斎藤氏に出頭要請へ
斎藤氏の勝因は、SNSで
①「斎藤さんは既得権益層に改革を阻まれた被害者」
②「斎藤氏のパワハラ、おねだりが実は捏造だったのではないか」
という声が急速に広がったため、とされている。既存メディアの敗北とも(既存メディアは告示日以降、候補者に関する報道は控える傾向があり、今回もそうだった模様。その間にSNSでの情報が波及した、と)。
掌返しの“擁護”に、「自分は違和感」、を憶えておく
そして、ネットでは(自分が見るのはヤフコメだが)急速に斎藤氏擁護の声が増えている。まさに掌返しのようで、自分の中には、“急速な擁護の声拡がり”には、違和感がある。勝てば官軍なのか。
このムードにただただ合わせるのは、自分は違う、と思う。
違和感があったことを、自覚しておく。記憶しておく。流されたくはない。大勢に合わせて何の責任も持たない「そうだ!そうだ!」の大合唱は嫌いだ。
そして整理する。
なんの影響力のない市井のひとりとして。
「既得権益層」を擁護するものではない。
自分の不勉強さを言い訳として白状すれば、そもそも上記の①「斎藤さんは既得権益層に改革を阻まれた被害者」には詳しくない。その前の「井戸敏三県政20年間」に問題があったとし、それこそ県政のど真ん中で重要という指摘も、「『大』(県政のど真ん中)が『小』(パワハラなど)よりも優先」という意見もあろう。実際の利害関係者、県民らが審判を下した結果なのでそれは勿論最重要だ。
SNSは流れていくばかりなので、現代ビジネス(10/23)=【独自】齋藤元彦・前兵庫県知事をたたき潰した「兵庫政界の闇」とは…「裏の絶対権力者」たちが作り上げた「タブー」と「天下り構造」の全貌をスクープする=の記事を拾うと、斎藤氏は以下を断行した。
・地域整備事業と分収造林事業による、合計約1500億円規模の負債を返済(「井戸時代の隠れ負債」)
・県外郭団体役員の定年規定を65歳に「厳正適用」。井戸県政下、なし崩しに70歳以上までの「慣行」があった。
・県立大学の無償化表明。先を越された重鎮議員の怒りを買う。
ふむ、そうなのか。報道でしか知らないが。
「県職員アンケ」「知事の百条委証人尋問」は何だったのか
そんな自分は、以前、この件に関し、以下のnoteを書いた。今年8月だ。
甲子園閉幕、兵庫県知事問題…459日目(2024年8月23日)
「兵庫県職員アンケート調査」中間報告、は、非正規など含む9700人対象、うち4500人余りが回答。約38%が「知事のパワハラを見聞き」。
東京も大雨、パラ金第一号、「ちくり」への“報復”…466日目(8月30日)
(斎藤氏は)県議会調査特別委員会(百条委)の証人尋問に初出頭。
LIVE映像が流れていたので、一部だけ見たが、基本的に自分の非は認めない。表情は変えない。(←私見) 内部通報者を暴露するのは間違っている(←自分の体験に基づいた私見)
1.「兵庫県職員アンケート調査」中間報告は偽造なのか?
「兵庫県職員アンケート調査」中間報告
ttps://web.pref.hyogo.lg.jp/gikai/gaiyo/koho/documents/060823_2.pdf
「知事のパワーハラ スメントについて」
目撃(経験)等により実際に知っている 59人
目撃(経験)等により実際に知っている人から聞いた 466人
「知事が贈答品を受け取っていること について」
目撃(経験)等により実際に知っている 43人
目撃(経験)等により実際に知っている人から聞いた 160人
この調査は本物なのか? なら、知事のパワハラその他は依然として事実で、それはそれで問題のまま。
この調査は偽造なのか? ならば、もっと大問題。
この調査に回答した職員に「嘘を書け」と圧力があったのか?
この辺は明らかにされるべきだ。
2.百条委証人尋問時の斎藤氏の表情、は自分の主観だったか
ネットのライブ動画で見た(テレビのコメントなどは挟まれていない)百条委証人尋問時の斎藤氏の表情、は確かに硬かった。周囲からの声を受け入れる感はなかった。
それは、「改革阻止軍団」への抵抗だったのかもしれない。尋問を受ける身として当然だったのかもしれない。
それは、自分の「感じた主観」でしかなかったのかもしれない。それは否定できない。
ただ、硬い人だと自分が思ったのは事実。それが政治家として適切かどうかは不明。
失職時の「お見送り」は「十数人」、要因は何か
9月の県議会で全会一致の不信任決議を受けて8月27日、斎藤氏は県庁を去った(自動失職は同30日)。
その際の報道で「職員の見送りがなかった」と記憶していたが、神戸新聞社の動画を視ると「十数人」とある。トップが退任する時に恒例の花束贈呈(女性職員の場合が多い)はなかったが、エレベータから降りてきた斎藤氏が「あ」と知った顔を見つけた表情で軽くうなづき挨拶している。そこに「見送りに来た人」がいた。また、車に乗る間際「がんばれよ」と中高年らしき男性の声が飛び、白髪で私服のシャツを着た男性が駆け寄り(声の人と同じかは不明)両手で握手していた。
ただ、周囲は、ほぼ報道陣である。
これは、どういうことか。3つの要因が考えられる。
①実際に人望がなかった。
②通常の「見送り」は秘書課なり総務課なりが仕切り、「動員」をかけるものかもしれないが、その「お見送り動員」がなかった。そもそも勤務時間内だが、上司の「業務命令」なら問題なく席を外せるはず。
③ ②ほど厳密でなくとも、通常は知事の見送り程度は業務時間内でも黙認かもしれない。が、見送りに行きにくい雰囲気が庁内にあった、または暗黙の「行くな」圧があった。
さて、どうだったのだろう。①②③の複合かもしれない。
とにかく、見送りが「十数人」しかいなかったのは事実の模様(神戸新聞社の報道によれば)。その場へ再び斎藤氏が戻るなら、その事実を見据えて、「対策」は必要だろう。見送りが「十数人」しかいない“敵地”で仕事をするのは大変だ。
パワハラ・おねだり疑惑の解明と、今後に向けた対策を明確に
斎藤氏はパワハラなどの一部を認め、反省の意を示していると一部報道がある。
再任にあたっては、百条委員会での解明なり、解決なりを明確にしたうえで、パワハラなどコンプライアンス関係の対策を充実させ、反省は反省で示し、県政に挑んでいただくのが筋でないか。「民意」は斎藤氏を再選させたが、パワハラ疑惑(陰謀説もあるとはいえ、アンケはどうなる??)を知ったうえで投票した県民も、すべてをOKと言ったわけではなかろう。
混乱は続くのだろうが、他の自治体の首長も我がことのように関心を持ってみているはず。きちんとした再出発を見たいと、兵庫県民でもないくせに思う。
それは、能力を持って選ばれたエリートに対する、あるべき期待でもある。能力のある人が高い志を持って政治に関わるのは、すべからく歓迎すべきことである。
皆さまのご健康を。