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MANAZURU PRIDE MONTHをやります

こんにちは。
いま私が住んでいる真鶴という町で「PRIDE MONTH」のイベントを開くことになりました! この記事では、その内容や背景などを綴ります。

PRIDE MONTH(プライド月間)とは

毎年6月に、世界各地でLGBTQ+の権利や問題を啓蒙することを目的に、様々なイベントやパレードが行われます。

1969年6月にアメリカのゲイバー「ストーンウォール・イン」で警察に対して同性愛者が抗議した「ストーンウォール・インの反乱」という出来事から、世界各国でPRIDE MONTHの運動が広がりました。

東京でも、東京レインボープライドというパレードとフェスティバルが開催されています。

それを、真鶴でやります

で、そのPRIDE MONTHのイベントを、パートナーのびびちゃんと一緒に真鶴でやることにしました👏👏

パレードは、今回はやらないことにしました。
来年以降は考えたいなあ。

6月13~25日はコミュニティ真鶴にて展示や書籍などの紹介をします。私たち2人がその場にいる時間帯もあるので、よかったらおしゃべりしに来てください。相談したいことがある方は、個別のお部屋でプライバシーを守ってのご相談も可能です。

そしてメインは6月18日。トークイベントでは、私たちの実体験も交えながら、LGBTQ+や差別・偏見の問題などについてお話します。その後は希望者向けに対話会も設けているので、みんなと話してみたいなという方はぜひ参加してくださいね。
また、コミュニティ真鶴の運営や空き家バンクなど、子育て世代のメンバーを中心に町内の様々な取り組みをしている「まちこ」のみなさんにも協力をしていただき、お子さま向けのコンテンツも用意しています!

前述した通り、PRIDE MONTHは本来「LGBTQ+の権利を啓蒙する」ことが目的です。また、この一ヶ月が終わっても当事者の方の日常は続いていきます。だからこそ、このイベントの間だけ盛り上がって終わる、ということは避けたい。イベント自体は多くの人が楽しめる内容にしつつも、これをきっかけに町のみなさんと一緒に考えたり話したりし続けられるような場にしたいと思っています。

なぜ、私たちがやるのか

私たちは、真鶴でLIBER(リベル)という活動を細々とやっています。
社会についてオープンに話したり学んだりする場を作る取り組みです。今回のMANAZURU PRIDE MONTHもその取り組みの一環です。

コミュニティ真鶴で「はじめのいっぽ」という名のオープンなイベントをしたとき

では、なぜ私たちがそんなことをしているのか。

公にはちゃんと書いたことがなかったですが、パートナーのびびちゃんはトランスジェンダー(ノンバイナリー女性)です。

※アウティングが気になった方もいるかもしれませんが、今回の内容は事前にびびちゃんにも確認してもらって、合意を得て公開しています。

2年前、パートナーのびびちゃんが「自分はトランスジェンダーだと思っている」と打ち明けてくれました。結婚して1年ほど経ったときのことでした。

それまでの私は、LGBTQ+に対してネガティブな印象は特になく、むしろそういう話題に「寛大」な方では?とさえ思っていました。
(この「寛大」という考え自体が自分は無知であったと後に気づくのですが…)

それなのに、自分が好きになって結婚した男性が実は「男性」とは自認していないらしい…私は「女性」で、「男性」が好きなのに…と、その後数週間は、ふとした時に涙が止まらなくなってしまうほどのショックを受けました。

でも、さらにショックだったのは、自分は比較的リベラルな考えを持っていると思っていたのに、「自分ごと」になった瞬間に、想像以上にダメージを受けているという事実。全然「寛大」なんかじゃなかった。自分ごとじゃないからそう思えていただけだった。

それから2年。びびちゃんのトランジションは徐々に進み、その道を共にしてきました。

この先どうなるかわからない不安が強かったので、まずはジェンダーに関する本や記事をたくさん読み、差別や偏見について学びました。時には情報に触れることさえきついなと思うこともありますが、「冷静に学ぶ」というのはパートナーとして必要なプロセスだったように思います。書籍は数十冊は読んだかなあ。

LGBTQ+の基礎について友人たちと話したとき

それでも、自分のなかで「乗り越えた」とはまだ思えておらず、いまだに戸惑いや葛藤が心の中に渦まいています。

だからこそ、自分がアライ(LGBTQ+当事者ではないが支援する人)であるかのようにふるまい、このようなイベントや活動をすることに罪悪感を持つこともあります。偽善者じゃん…と。

でも、いま持っている葛藤はすぐには消えない。それを受け入れ向き合って、びびちゃんとのいい関係性をこれからも作っていきたい。当事者でなくても、「アライである」と胸張って言えなくても、「アライでありたい」という強い意思を持って、自分や社会に対してアクションしていきたい。

まだまだ悩みは尽きないですが、最近はこんな気持ちに落ち着いてきています。
でも「私はhypocriteだ、申し訳なさすぎてつらい、自分は最低だ」と、何度びびちゃんに泣きついたことか…(笑)。自分自身も悩んでいるはずなのに、いつも受け止めて、ゆっくり対話してくれるパートナーに感謝しています。

ちなみに、「なんで結婚する前に言わなかったのか」と思う人もいるかもしれませんが、びびちゃんは嘘をついて私と結婚したわけではないですし、人の性自認や性的指向は変わりゆくものだと思っているので、自分としては「タイミングがたまたまそうだっただけ」という認識です。きっと本人もたくさん悩んだと思いますし、むしろ、明確に自認したタイミングで言ってくれてよかったと思っています。びびちゃんありがとう。

「知らない」に自覚的になる

LGBTQ+の方は日本に5~8%ほどいると言われています。この数字は、左利きの人やAB型の人と同じくらいらしいです。「佐藤さん・鈴木さん・高橋さん・田中さん」という名字の方を足しても、5%くらいになるそうです。「自分の周りにLGBTQ+の人はいない」と思っていても、実は「周囲に言えていないだけ」という可能性もあるんですよね。

私が、「アライであろうとする」ために大切だと思っているのが、「自分は無知である」と自覚することです。

LGBTQ+の話題に限らず、世の中にある差別や偏見は、「悪意はなかった」「それが誰かを傷つけるとは知らなかった」ということが原因になることも多くあります。『差別はたいてい悪意のない人がする』という名の本があるくらい。

この辺りについてはトークイベントでもお話したいなと思いますが、今回のイベントも「知らなかった」に気づけるような場にしたいです。

6月、コミュニティ真鶴で待ってます!

長くなってしまいましたが、今回のイベントの背景などを書いてみました。
この2年のことを言語化して公開するのは初めてなので、ドキドキ。

イベントの詳細はLIBERのInstagramやフライヤーをチェックしてください!
(町内でフライヤーを貼らせてもらえるお店・場所も探しているので、ご協力いただける方がいらっしゃったらお声がけいただけるとありがたいです。明日以降、こちらからもご相談に周る予定です)

それでは、コミュニティ真鶴でお待ちしています!

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