ご近所の警告

画像1 道を歩いていると、あちらこちらに、「とまれ」や「止まれ」が、落ちていますよね。それぞれに、なかなか風情があって、ついつい立ち止まって、ボーっと見とれてしまいます。ちょっと危なかったり、するんですけど。
画像2 【 001. あまりに長く警告の声を上げすぎると、こうなる。】 長年にわたって「とまれ」と言い続けているうちに、警告の声もかすれ、割れ、味わいを増してゆく。時間という芸術家が磨き上げた、「れ」の逸品をしばし眺める。
画像3 【 002. 「と」の側から眺める。それもまた楽しからずや。】 「と」の先端が、もう、かなり崩壊してしまっていますね。「ま」の丸みに、スーッと電柱の影がさしているのも、いい感じ。僕はいつも、この警告の横をすり抜けて、駅へと向かいます。
画像4 【 003. これは、ちょっと。そろそろ、何とかしなければ。】 かろうじて、真ん中の文字が「ま」と読めるおかげで、あぁ、これは「止まれ」なんだと分かる。しかし、もはや「警告」の力はありませんな。
画像5 【 004. 道は「まっすぐ」なだけじゃない。というわけで。】 道がクイッと曲がっているので、「と」も曲げてある。しかも、マンホールをうまくよけて、バランスをとっている。実に、ていねいな仕事ですね、これは。
画像6 【 005. まぁ、とりあえず。そのいい加減さも、味となる。】 どうやら、少し前に「れ」のところで工事があったようです。埋め戻した後に「れ」を補修しようとした痕跡がうっすらと…。そこはかとなく、004の「いい仕事」とはまた違った味わいを感じます。
画像7 【 006. 「と」から「止」が、時代の流れか。検証その1。】 少し前から気になっているのですが、古くなった「とまれ」を、「止まれ」に書き直している物件をチラホラ見かけたりします。たとえば、こんな感じ。やっぱり漢字の方が「警告」感が強いからかな。個人的な趣味でいえば、「とまれ」の方が好きなんですけどねぇ。
画像8 【 007. 「と」から「止」が、時代の流れか。検証その2。】 ほらね。ちょっと分かりにくいかもしれないけれど、「止」の下、少しズレたところに、「と」らしき痕跡が……。やはりこれからは「止まれ」の時代なのか! って、まぁ、どうでもいい話なんですけど。
画像9 【 008. ある晴れた日の朝。「警告」も、くつろいでいる。】 すべてのものごとが美しく、くつろいで見える。そんな晴れた日の朝にこの「止まれ」を眺めるのが、僕のひそかな楽しみだったりするのです。
画像10 009. archive of warnings
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