ロジカルシンキングで陥る罠
目的を果たさない議論や思考
プロジェクトを進めていくといくつかの選択肢から最適な解を見つけて決断する局面は必ず訪れます。
しかし、一生懸命考えたことが実は全く意味のないものだったということもよくあります。今回は一見ロジカルに進められているようでドツボにハマるパターンを紹介したいと思います。
ロジカルに議論を整理する・・・?
例えば「最近サイトの購入数が減ってきたこと」への対策ミーティングで
「このページのこのボタンの色、ちょっと目立たなすぎない?」
という議論が始まったとします。
A:「いいサイト真似ればいいんじゃない?Googleっぽく青とか」
B:「うちのサイトのテーマカラーに沿ったグレーのままでいいよ」
C:「目を引きそうなのは赤だけどな」
上記のように、
三者三様の意見が出て収集がつかなくなることはよくあります。
そんな時、
D: 「いやちょっと待って。もっとロジカルに考えよう。整理するとこうだよよね?」
D: 「議論の前に僕らのサイトで使っていい色と使えない色が決まってるの忘れてない?赤はデザインのポリシーから外れているよ。だから検討すべきはグレーか青。このどちらかがよりクリックされやすいかをA/Bテストで実験してみようか!」
ロジカルシンキングなDの登場によって無駄な議論が収束しました。
議論は無駄だった
上記のような流れだと一見、Dが大活躍して無駄な議論を回避できたように思えます。
でも、この4人は大事なことを忘れています。
「そもそもボタンの色って大事なんだっけ?」
ということです。
この4人はなんのためにボタンの色の議論をしていたのでしょう?
「ECサイトの購入数が伸び悩んでいる。なんとかしよう。」
という課題が議論の出発点でした。
この場合、こんな風にブレイクダウンするのが正しいです。
誰かが「ボタンの色イケてない」と発言したことをきっかけに、
議論が全然違う方向に進んでしまいました。
そして実際には「ボタンの色」は購入数に全く影響がなかった、ということもありえます。
一番やっかいなのはD
前の議論で救世主的に現れたD。
Dは発散した議論を収束へと導きましたが、実はDのようなタイプがプロジェクトの進行において一番やっかいな存在です。
なぜなら、A、B、Cの3人だけだったら議論が収束せずに「なんも決まらなかったね」で終わりますが、Dの導きによって「ボタンの色を比較するという全く意味のない検証を始める」という無駄の上塗りステップに入ってしまったからです。
まとめ
プロジェクトを進めるにあたりいろんな議論に参加したり、自分の頭だけで考えたりすることがあると思います。
その際に、一度立ち止まって「この議論の目的はなんだっけ?」ということを再確認することはとても有意義です。
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