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行政書士試験合格講座 行政救済法 > 国家賠償法・損失補償 #2

■ 2 公の営造物の設置・管理の瑕疵に基づく国家賠償

 公務員の不法行為についての違法を追及する国家賠償法1条に対して、公の営造物の設置・管理の瑕疵についての違法を追及するのが国家賠償法2条です。例えば、公園のブランコが壊れていたせいで怪我をした個人は、管理者である国または公共団体に賠償請求ができます。

(1) 国賠法2条責任の要件
 国家賠償法2条は、「道路、河川その他公の営造物の設置又は管理に瑕疵があったために他人に損害を生じたときは、国又は公共団体は、これを賠償する責に任ずる」として営造物責任を定めています(国賠法2条1項)。営造物責任は、公の営造物が客観的に通常備えているべき安全性を欠いている場合には、管理者の過失がなくてもそれによって生じた損害についての賠償責任を認めることとした、いわゆる無過失責任です。これは、民法717条の定める土地工作物責任の特別法です。
 営造物責任が成立するには、次の要件を満たす必要があります。

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