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天然温泉での湯治こそ最強の美容法

去年の夏に旅行で訪れた、湘南の稲村ヶ崎温泉が忘れられない。

それはもちろん温泉の気持ち良さもあるのだが、一番は1ヶ月皮膚科に通っても治らなかったニキビが、稲村ヶ崎温泉に入った半日後には消えていたことだった。

稲村ヶ崎温泉の泉質は炭酸水素塩冷鉱泉で、殺菌効果の高い松の有機質成分を含む「モール泉」と呼ばれるもので、平成前期までは世界で2か所しか確認されていなかった貴重な温泉資源のひとつである。温泉の中に砂金が混じっていることがあるとされ、黄金の湯の名前の由来となっている。

炭酸水素イオンには、老化や病気の元といわれる活性酸素の働きを抑制する作用がある。肌に溜まった不要な角質や毛穴の汚れを取り除くクレンジング効果もあるとされ、私の場合はこの不要な毛穴の汚れを取り除いてもらったことが、ニキビ解消につながったのかなと思っている。

少し話は逸れるが、以前糸島(福岡県にある玄界灘に突出した半島)のシェアハウスにお世話になった時、シェアハウスの管理人ご夫婦が、徹底したナチュラリスト思想を貫いている方々だった。このシェアハウスは上下水道の区別がなく、排水として流れる水は裏の鶏もつつくため、化学製品は使えないといった具合だ。だから食器も石鹸でしか洗わないし、洗濯に至っては石鹸すら使わない。

ご主人に「洗剤を使わなかったら、食器や衣服の汚れは落ちないのではないか?」と聞いたところ、「食器洗いや洗濯に使用する湧き水がすでにミネラルを含んでいるから、洗剤を使う必要がない」とのことだった。

私は温泉に浸かっている時に、ふと糸島のご主人のこの言葉を思い出した。
確かに私たちは多くの製品を使いすぎているかもしれない。美容にだって同じことが言える。
メイク落としに、善玉菌まで根こそぎ洗い流すクレンジング。必要な成分を全て落としてしまったが故に乾燥している肌をケアするための化粧水、美容液、乳液。美容液にこだわっている人はさらに導入美容液や目元美容液、リップ美容液にオイル美容液などを使い分けているかもしれない。

私は20代の頃、もっと綺麗になりたくて、それこそプラズマシャワーやダーマペンやビタミンC美容液などの高額な美容施術に飛びついていた。
人によって効果はそれぞれだと思うが、私の場合は人より肌が薄く、敏感だったため、これらの美容法があまり合っていなかった。それどころか白ニキビが増えてしまったのだ。

最新の美容施術がうまくいかなかったことと、温泉の力で肌荒れが解消されたという事実から、私は1つの答えに辿り着いた。
「美容はもっと、シンプルでいい。」
シンプルにすれば、余計なお金も掛からなくてお財布にも優しい。肌にも負担がない。
特別なフェイシャルエステや医療美容は必要ない。食生活に気を使い、日々のスキンケアを怠らず、1、2週間に一度くらいは湯治に行く。これが私にとってのベストな美容法だ。

多くの人は「温泉は旅行の時に行くもの」と思っているかもしれないが、一種の美容法だと思って、是非日常生活に取り入れてみてほしい。出来れば薬湯や天然温泉だと望ましい。いい天然温泉があれば、一報願いたい。

(おわり)



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