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日本株の1週変動率を図にしてみました

 今週、かなり日本株が値下がりしたので、1週変動率を縦軸にした散布図をいくつか作ってみました。
 基本的には中東情勢によるショックによるリスクオフだと思いますが、全体像を見ることで他の因子が関係しているかを確認してみます。


時価総額と1週変動率

時価総額と1週変動率 出所:トレーディングビュー 作図:ご隠居_むらたん

 時価総額を横軸にした散布図です。全体的に低調なのが解ります。
1週間前は、時価総額トップのトヨタも含めて、プラスでした。

 今週は特に時価総額が高い銘柄はほとんど全滅です。
 特定業種というよりは、全体的に下がっていることがわかります。

時価総額と1週変動率 拡大

 時価総額が4~10兆円あたりを拡大して、銘柄名を併記しました。
 東京エレクトロンやディスコやルネサスエレクトロニクスやアドバンテストといった半導体関係が下がりが厳しいようです。やっぱり買われ過ぎていたようで、調整が入ったようです。
 しかし、それ以外の業種もまんべんなく値下がりしてますので、リスクオフで株全体が売られたと見るのが良さそうです。

ROAと1週変動率

 何か、売られた銘柄の傾向が無いか、色々な視点で散布図を作成してみました。
 まずは、ROAと1週変動率です。


ROAと1週変動率

 分布から、ROAと1週変動率には相関はなさそうです。
 すなわち、資産効率の悪い銘柄が売られたわけでは無さそうです。

当期純利益率と1週変動率

 次は、当期純利益率と1週変動率です。

純利益率と1週変動率

 このデータだと、バカのように純利益率がマイナスの銘柄がいくつかあって、とても見にくいグラフになります。ちなみに銘柄を見てみると、ファンペップ(4881)という、バイオ関係の企業のようです。次点もバイオ関係のようですので、バイオ特有の「費用だけかかって収益化は後になる」のようです。
 とても見にくいので、このあたりの銘柄を取り除いて表示します。

営業利益率と1週変動率 営業利益率が-100以上のものを抽出

 さきほどの、ROAと1週変動率のグラフと同じく営業利益率と1週変動率に相関はなさそうです。
 すなわち、利益率で売られた訳でもなさそうです。

PBRと1週変動率

 PBRと1週変動率です。

PBRと1週変動率

 またもや異常値があって、見にくいグラフとなりました。
 そこで、PBRが100以下のものだけ抽出してグラフ化してみました。


PBRと1週変動率 PBRが100以下を抽出

 これまた、PBRと1週変動率の間に相関は無さそうです。
 ただ、面白いことにPBRがマイナス(!)の銘柄はさすがに値下がりしているようです。しかし、PBRがマイナスで良く上場維持できているものです。それだけ、その企業に無形の価値(ブランドとか技術力とか・・・)があるのでしょう。

PERと1週変動率

 最後にPERと1週変動率です。
 最初からPERを100以下のものを抽出しました。

PERと1週変動率

 これもPERと1週変動率には相関は無さそうです。

まとめ

 1週変動率と各種因子を散布図にしてみました。
 やはり、日本株全体で売られているようで、会社規模や利益率等で選別されてる訳ではありませんでした。
 実はこれ長期投資の視点からすると、結構おいしい状態です。
「何かの因子でパニック売り」「リスクオフのための現金化」が起きていることになり、「優良企業も売りに巻き込まれる」ことで割安になる場合が多いです。最近だと「コロナショック」です。あの時仕込んでおいた人は、そこそこの利益を享受しているはずです(銀行株や商社株はとても安かったです)。
 今回のショックは中東情勢が主だと思われます。今後の展開によりますが、イスラエルとイランは両者ともかなりしたたかな国なので、直接紛争をしないように慎重に動いているように感じます。なので、このままいけば短期に収束する可能性があると思っています。
 ただ、両国とも内部にかなりの過激思想を持つグループを抱えていますので、それらの突き上げや暴発が起こらないとも限りません(結構、過去にやらかしているので・・・)。そのリスクを回避するための対策は有りでしょう。ただ、新NISAやり出した方のパニック売りは、あまりお勧めしません。塩漬けして、数年程度配当だけで我慢するのも良い経験のような気がします。

 今後の動向をじっくり見極めて、割安になった銘柄を気長に選定してみようかと思っています。

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