「都市と地方をかきまぜる」 高橋博之著

日本の総人口が減少し、非生産年齢人口(65歳以上)の割合はますます増え、そして東京圏への一極集中、地方の過疎が進む傾向といわれる

2050年の国土に係る状況変化 - 国土交通省
https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001361256.pdf

日本という世界でも特異な文化と歴史を維持・継承し、そして色々な国を訪れて気づく日本の良さをずっと持ち続けていくには、地方に注目し生産年齢人口(15 - 64歳)が増えていく必要がある

ブロックチェーン技術を知ってから、何かと問題解決に分散型の管理や発想がポイントになるような気がしている

そういう意味で都知事選では、石丸氏の #東京一極集中 の問題意識には共感しその若さからも押したいと思った、が、地に足が付いた政策を挙げる田母神氏になってほしい
そして田母神氏を中心に石丸氏や安野氏などをチームの一員に加え、その若いアイディアに保守的な視点を加えて同時並行的に政策を進める
スピード感を持って政策実行を進められる体制が良いんじゃないかと考える

話はそれたが、一極集中緩和、分散型解決に関心があるからこの本を手に取った

読んでみると、思った以上に今の自分が仕事をやめて東京から北海道へ行った考えを的確に言語化していることに驚いた
そんな一節をノート

『日本人の自然観』より 物理学者 寺田寅彦 著

「西ヨーロッパでは自然が安定していてほとんど地震がない。だから自然を客観的に観察できデータを収集することができる。その結果自然を征服したり、コントロールしたりする思想が生まれた。
一方日本では、自然が不安定で太古の昔から自信が多発し、台風などの自然災害も頻繁に起きてきた。日本人はそのような不安定な自然と付き合う中で、ひとたび自然が怒りだしたら抵抗してはならない。頭を垂れ、人々が互いに助け合うことで、その自然の猛威から自分たちの生活をいかにして守るかという知恵を積み重ねてきた。」

このように何万年となく恐ろしい自然の脅威と向き合ってきた結果、「天然の無常観」という感覚を日本人は自然と育てるようになった

「風立ちぬ」公開記念スペシャル番組 宮崎駿氏

「人間の世界から外れたところには、何かがいるという自然観を日本人は持っていたんです。だから自然に対して謙虚で、慎ましい態度をとっていました。ところが自然に対して優位な立場に立つと、その畏れを捨てて振る舞ってきた。
(東北大震災)原発の問題はね、これはエネルギーを過剰消費していく文明のありように、はっきり警告が発せられたと思うんです。」

豊かな社会が引き起こした三つの「成人病」

  1. 存在意義喪失型 - 仕事が細分化されて自分は巨大なプロジェクトの駒の一つでしかなく、自分がそれに携わる必要性が感じられない

  2. やりがい喪失型 - パソコンの前でひたすら数字だけを追っていて、実体に触れたり現場を経験することがないので、何をやっているのかわからなくなる

  3. 正義希求型 - 自分たちがやっている仕事は自然や他者を搾取した上に成り立っていることに気づき、後ろめたさを感じる

自分を、家族を、社員を、国民を守るという大義名分が、この病の放置や、病の悪化に正面から向き合うことを難しくしているように思う。この病を癒やすために、都市住民は被災地に通っているようですらあった。



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