18_ひだりてみぎて -天満温泉(別府)-
今年は例年より早く梅雨入りした。
まだ五月中旬というのに、空の色は濁っている。海沿いを走る国道10号線の方から、境川沿いを鶴見岳に向かって登っていく。川沿いの桜並木は、あっという間に春の知らせを告げて散り、若緑の葉ヶ生い茂っている。あたりのシロツメクサもぐんぐん伸びる。石垣道路を横断し、小道に入って少し進むと、一角から人の声が聞こえてくる。お風呂上がりのおばあ様たちが団らんしていらした。
番台さんは席を外しているようで、そこん戸のところにお金を置いていきない、おばあ