男子ごはん

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バンコクでは日本のテレビを観られるサービスを契約している。BSやらなにやらのすべてのチャンネルを二週間すべて録画してあるという日本に持ち帰りたいくらいの機能がついており、朝のニュース以外は狙った番組しか観なくなった。私の興味はほぼ料理のことに限られているので日本にいた時よりも「男子ごはん」を観る機会が増えた。

最初はケンタロウと国分太一(面倒臭いので敬称略です)のふたりで始まって、元からケンタロウのファンだった私は喜んで観ていた。(お母さんも好きです)が、ケンタロウの事故により現在は栗原心平がその役を担っている。はっきり言って最初はキライだった。早く帰ってきて!ケンタロウ!と思っていた。心平ちゃん(ちゃんづけ失礼)のどこがキライ、というわけではないけれどそのうち番組も観なくなっていた。

が、タイに来て自分で観たい番組を観たいときに観られる状況になると、料理の番組は限られる。それでしょうもない番組を観るくらいなら、とまた観始めたのだが、最初はまだまだ心平ギライが残っていた。でも観続けていたらその不器用な感じ(テレビに対して。料理はプロだし)がなんだかいいかも、と思うようになり、最近では追いかけるような気持ちで観ている。理由としてはまずテレビでいい顔しようと思っていないというか、優等生ぶらないところがいい。質問の答えは全部実感がこもっているし、食材を切るときにまな板をいちいち拭かないからにんじんのかけらが残っているところで玉ねぎを切ったりするところなんてめっちゃかっこいいし、(私も日本で調理人だったけど毎回まな板を拭く几帳面タイプだった)彩が足りないからって必要のないプチトマトや葉っぱをお皿に乗せたりしない。心平ちゃんまじでかっこいい。そんなことはどうでもいいとばかりに(おそらく『男子ごはん』だからそうしている)次々とオール茶色の食卓を生み出している。火加減も強め安定でわかりやすいし、毎回目からうろこが落ちる。心平ちゃんありがとう。料理は自由だっていつも教えてくれて。これからもそのままの心平ちゃんでいてください。

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