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よく考えたらこわいことだらけだった➀

私は服が買えない。

お金がないわけではない。(もちろんたくさんあるわけでもない)興味がないわけでもない。昔から雑誌が好きでオリーブは絶対に発売日に買っていたし、今でもファッション誌の類はよく手に取る。そこに載っている服を見ては、今はこんなのが流行っているのかーと思ったりするし、もちろん欲しくなったりもする。

でも、買えない。

今日こそは服を買うぞと決めて店に向かう。あれもいいこれもいいとうろうろと見て回る、店員さんに声をかけられる。.........終了。今はタイに住んでいて言葉が通じないから、ではない。日本にいる時からずっとそう。

人に見られるのがこわいし、買わないかもしれないのにあれもこれも手に取るのは悪い気がするし、お前なんてどれ買っても似合わねーよと思われてるかもしれないし...私なんぞが服を選ぶなんざー100万年早いんじゃねーか、とか、実際家に着てない服がいっぱいあるし...とすごすごと帰ってくる。ほぼ毎回。

今日こそはと思ってお店に行って手に取った商品の色がたくさんあった場合も、考えて考えて...一周回って戻ってきて...買わない。というか、買えない。悩んで悩んでなんでこんなにたくさん色があるんだよ!と怒りのままに帰ってくることさえある。高確率で。でも、毎日制服を着たいかというと(それもいいなと思いつつ)そうではない。わがままだ。わがまま放題。そういうわけで手元にはモノトーンの服が多い。あと柄物。(好きだから)白い服も多いけど信じられないほど食べこぼすので着る機会がない。柄物は、インパクトが強いので同じ人に会うときにまた着るのがちょっと恥ずかしい。

服が好き!とわくわくを持って買い物に行ける人が心底うらやましい。私も服は好き。でも買えない。服やの店員さんはみんなおしゃれでかっこよくて服が好き!の光線が全身から吹きこぼれている。しかもその裏には買ってくれ、という念みたいなのもあるだろうし、もうそういうの、全部こわい。店員さんの被っているベレー帽がこわい、いい感じにこなれたコンバースがこわい、春っぽいシャドウがかわいくて...こわい。新しい服を着てかわいい友だちが、かわいくて、うらやましくて...こわい。誰か助けて。


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