本の感想②
「生のみ生のままで」
綿矢りさ先生の本です。学生の時よんだ「インストール」以来の綿矢りさ先生の本です。
私自身過去に同性とお付き合いしていたのもあり、同性愛関連の内容ということで興味が湧き手に取りました。
ほんっとうに読んでよかった…
同性という壁がすべて払拭できているわけではないし、
ラストの選択も個人的には寂しい思いでいっぱいだったんですが当事者2人を応援せざるを得ないんですよね。
綿矢りさ先生の性描写はイヤらしさはないのですが生々しさに溢れて読んでいてドキドキしました。
------------少しネタバレ------------
上巻の中頃には当事者は両想い(元彼組が不憫すぎて…笑)。
芸能界、本当にこういう感じなんだろうな〜って半分ノンフィクションで読んでました。
彩夏は気が強いのにめちゃめちゃ重い女なの、可愛いなぁと思いました(笑)
逢衣が事務所の策略にハマり彩夏と会えない期間、彩夏は彩夏で病んでいて、やるせないなぁ…と。
お互いずーっと両想いなんですよね。
病に伏して一生懸命自分も逢衣も守りたくて逢衣を遠ざけようとする彩夏の隣を、なにがなんでも死守する逢衣。
長いよね、7年は長いよ…。
引っ掻き回した凛ちゃんはさっさとフェードアウトするし、なんなんだよおまえ!!
結婚という形をどうやったら書類以外で2人の間に刻めるのか、2人が出した結論がよかった。
結局、2人は公表することなく互いが愛しているという事実を互いがわかっていればいいよね、という結論になるんですけどそこにいくまでの葛藤が読んでて苦しい。
逢衣が母親に電話でカムアウトする描写、生々しい。
逢衣の両親は結局、逢衣のことを愛しているゆえ反対していて、逢衣もそれをわかってるから揺らぐんですよね。
私が過去、母親にだけ女性と付き合ってること言ったとき、しばらくして「なかったこと」にされたのでそれを思い出しました。
私の語彙力では足りないほど綿矢りさ先生の描写が素晴らしい。同性愛というジャンルですけど本当に爽やかで綺麗です。
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