見出し画像

レッスンに悩む人に読んで欲しいレッスン13年目の覚書



お久しぶりです!
ギタリスト/ギター講師のgohです。

Twitter → @goh1090
Instagram → @goh_1090


書こう書こうと思いつつ、先延ばしになっていた " レッスンについてのアレコレ "

(そして、" 何年待たせんねん " の声はもう聞き飽きた 「ギター初心者向けnote」もそろそろリリースします!)


歯に絹着せず、オブラートは水に流してガソリンの海でチャッカマン両手に踊り狂うぜ!いくぞ!!




お前は常に品定めされている



生徒が上か、先生が上か

考えた事がありますか?
無いとしたら才能が無いです。

先生が上だと思ってる人はもっと才能が無いです。

「"先生"なんだから上だろ!」

って思うかもしれません。

レッスンという枠内において「退会」という最強カードを持っているのは、他でもない生徒です。


特に体験レッスンは「講師の選別」です。

お客様は神様

なんです。
我々は接客業をしている、という意識の有無はとても大切。

レッスンに " 来て頂いてる " という気持ち。

「選んで頂けた感謝」の気持ちは、授業の質に大きく反映されるし、それは間違いなく継続的な契約に直結する。


ちょっとモヤモヤして来た人、いるだろ?
まだまだいくぜ、まだ溜め込んでおいてくれよそのモヤモヤ。
そのまま有料記事セクションに突入して課金よろしく頼むぜ!





接客業・サービス業である意識


「生徒 / 講師」という名前を字面のまま受け止めてしまうと、ある程度キャリアを積んだ時に問題に直面すると思う。


僕はこう考えている

生徒 = カスタマー(顧客)
講師 = ベンダー(販売員)

生徒という単語がそもそも「下」なのが良くない。
生徒は自分の教えを乞いに来ている、と無意識で刷り込まれてしまう。

繰り返すが、最強カードをいつでも切れる圧倒的強者は生徒の方なのだ。


生徒とは、スクールという店舗で講師のレッスンという商品を " 選んで " 買いに来ている顧客なのだ。


自社製品の素晴らしさを陶酔気味にまくしたてる、他社の悪口を延々と聞かされる、そんな販売員が偉そうにしている。
それがまかり通るのがこの業界。

電子レンジ買いに行ったら、店員さんが偉そうに上から「教えて」来る。

他の店に行きますよね?
悔い改めなさい、ジーザスはその御心で何かしらを照らしてくださいます。


カスタマー / ベンダー
という関係性を理解出来ていない先生は、生徒への不満が蓄積してしまう。

「格下がァ!」という意識があるので当然そうなる。
それでも、お客様に向かって何事か!歯を食いしばれ!と、ならないのがこの業界。
だって「先生」だもの。

この辺りは非常に不健康。
販売員、サービス業、なんだから「接客の品質向上」に尽力して然るべき。






生徒にとっての正解≒講師にとっての正解


「電子レンジが欲しいんだけど」というお客さんに「僕は掃除機を売りたいです、掃除機は良いぞ」とゴリ押しする店員さんが居たらどう思いますか?

「こうなりたい」「これをやりたい」という生徒に対しての講師の返答は、答え次第ではこうなってしまっている、という事。


カスタマーの欲しいものを提供するのがベンダーの仕事。
予算的に、レベル的にそれを手に入れるのが難しい場合には、それに近いものを精一杯一緒に見つけてあげる義務がある。


例えば、ギターを今日初めて手にした生徒が「タッピングしたい」と言ったとする。

セオリー通りなら、そんなもの10年早いまずは基礎から…

レッスンのスタイルに正解は無いが、僕はドレミも弾けないその生徒に全力でタッピングを教える。


ギターも普通に構えていたのでは多分無理なので、膝の上に寝かせて人差し指でとりあえず指板をピコピコ押させる。

「正しい道筋で正しいフォームで授業を受ければいつか必ず弾けるようになる」は、講師のやり方の押し売り、自己満足に過ぎない。

まずは

憧れの音(っぽいもの)が出た!
楽しい!

という成功体験を提供して顧客満足度を爆上げするのが講師の仕事だと思っている。

フォームも基礎も " 今の所は " どうでも良い。

講師の正解は生徒にとっての正解とは限らない。






そもそもオカルトグッズを売っているのと変わらない



この意識は物凄く大切だと思う。

マイナーコードは何故悲しいのか
グルーヴ感の正体
などなど

音楽というもの自体が「非科学的極まりない」モノなので、正直ガンが治る天然石とか売ってるのと変わらない。
オカルトグッズ販売員なんです我々は。


ピックの持ち方、ギターも持ち方、これだけでも本当に千差万別。

「いやそんなに大差なくない?」って思った人は勉強不足。

これだけYouTubeやサブスクが浸透した時代に、スタイルの多様性を知らないのは大罪。

逆に持つ、膝に寝かせて弾く、ピックの丸い所で弾く、等もはや当たり前と言ってもいい程 "スタイル "は多様化している。(というか、大昔からある)


もちろん、最短距離を提示してあげるのが一番だけど、非合理的に思える生徒のクセを「間違い」と指摘するのは間違っている。講師のエゴ。


音楽は非科学的、かつオカルティックなものなので「間違いは無い」

そのスタイルを受け入れつつ、色んな可能性を提示してあげるのが "ベンダー " の仕事。


足でギターを弾く生徒に「手でも弾いてみる?嫌?OK!やりたくなったらいつでもやってみてね!」

と言うのが「正解」だと僕は思う。

「でもそれじゃあ何も弾けないし、上手くならない!残り時間どうすれば良いの!」

って、それを考えるのがお前の仕事だ。
腕の見せ所ですプロフェッショナルの仕事をしてください。


もしかすると、数年後に足でギターを弾いてグラミー・ウィナーになるのはソイツかもしれない。マジで。







良いレッスンだったかどうか決めるのは生徒



「良いレッスンの基準とは?」

と聞かれた事がある。
愚問も甚だしい。


これも「講師が上」と思っていなきゃ出ない発想。

「良いレッスンの条件はコレ!」と決めてしまうと、求めてない生徒にそれを押し付けてしまう。

生徒が10人居たら求めるものは10個ある。
月4回通っているなら、それはその日によって異なるのでさらに4倍。

それをしっかり汲んで、提供する。

「今日はギター弾きたくないな…」って気分だったら、無理に弾かせず弾きたくなるように頑張る。
もしくは、弾かないに任せる。
恋バナをする、一緒に動画見る、などなど。

それでも、帰る時には「楽しかった」になっていれば生徒は勝手に上手くなる。


レッスンは水物。
コレ!と決めた瞬間に流れが止まり、後は腐るのを静かに待つだけ。

良いレッスンかどうかを決めるのは生徒である。



良いレッスンがあるなら、必然的に「良い生徒・悪い生徒」が講師の中に産まれてしまう。

それがどれ程恐ろしい事か。
ビジネスにとってどれ程致命的な事か。



「弾けるようになる」が目標のレッスンは、講師も生徒も辛くなる。
僕は「レッスンの時間が楽しみになる」を目指している。






無理なもんは無理だったりする



「指を開いて押さえましょう」


は、最初はみんな苦労する。
それなりに時間がかかる人もいる。

レッスン初期にこんな失敗をした。


いつまで経っても指が開かない生徒。
クロマチックのトレーニングや、足台を試したり、フォームを変えたり、色々試したけれど指が全く開かない。

「練習が足りないのでは?」と少しイライラしたりもした。

ある日、その生徒が病院でレントゲンを撮った時に先生にこう言われたと。

「先天的に指の関節が一部固着しています」


どんなに頑張っても指が開くはずが無かった。
物理的に不可能な事を長期間強いてしまっていたのだ。
泣く程反省して、大いに悔い改めた。


その体験は大きな転換点になった。


「頑張れば必ず出来ます!」とは言わなくなった。

・足を組めない
・指がすぐ痛くなる
・背筋を伸ばせない
・集中力が続かない
・"軽く"が出来ない

などなど、よくある事なんだけど

「出来ないもんは仕方ない!他のやり方を試してみよう!」

に早めに切り替えるようになった。

障がいや、ギフテッド等の影響で「出来ない」人は想像以上に多い。

その「出来ない」はネガティヴな事だと思わせてはいけない。
他の可能性に繋がる新しい道だと示してあげるべき。

偉そうでごめん。







上手くなりたいから来てる訳ではない人もいるという事実



ハイ!こっからは燃えそうだから有料です!

特にバリバリやってる講師の皆様!やる気満々な生徒の皆様!!
ここから先は火気厳禁でよろしく!

ここから先は

1,775字

¥ 1,000

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?