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「おでん」「日向ぼっこ」「干渉縞」「琥珀」

「おでん」

今日の夕飯は何?
おでんだね

じゃがいも
鶏手羽
タマゴ
厚揚げは
外せない
(異論は認める)
後は辛子
つけすぎると
宇宙に跳べる

弱火でことこと
食欲を誘ういい匂い
お母さんの匂い
幸せの匂い

「日向ぼっこ」

おじいさんになって
縁側で
桜なりを眺めて
膝に
丸々太った猫をのせて
うたたねを
孫達がたわいもない
いたずらをして
それでも
猫はずどんと膝の上
怒りに行けない
そんな日を

「干渉縞」

才能と才能
ぶつかり合う
協調する
恐ろしい程の
出力
世界史に残る
認識していない
貴方がここに居るだけ
私がここに居るだけ

流星

ぶつぶつノイズの鳴る
アナログレコードプレイヤー
スプレイをかけた
干渉縞

流れる
少年の日の思い出
死体を探しに行った
仲間達

「琥珀」

歌詞は意味が無いのに困ってて
詩は意味があるのに困ってる
歌詞と詩の終焉に
ヘリコプターからビラが
ばらまかれた
あらゆる場所に
戦場で睨み合ってる兵士が
野外コンサートのアーティストが
公園で家族と野外で
ランチを食べてた
僕の手にも
世界は寂しさで出来てる
宇宙も寂しさで出来てる
今度の隕石で全て消滅する
地球の自然にとっては普通の事
いたって自然
人類の記憶を
ガラスの中に封入する
残しても意味のない
些細な
僕らの記憶

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