バンブラシリーズ人気投票優勝おめでとうございます
ねとらぼ調査隊の「一番好きな任天堂のゲームシリーズは?」というアンケートが開かれましたが、なんと大合奏!バンドブラザーズシリーズが2位以下に大差をつけて優勝しました。おめでとうございます!本当に、おめでとうございます!
このことは、我々バンドブラザーズシリーズを愛する人間にとっては非常に喜ばしいことであると同時に、驚くべきことでもありました。このアンケートの対象になっているゲームは、いずれもレジェンド級のゲームだらけで、マリオシリーズやポケモンシリーズなどもあり、それを差し置いて、バンブラシリーズが優勝したのです。すごい現象であると同時に、なかなか面白い現象だと思いましたので、なぜこうなったのか、本稿で考察してみようと思います。(不正投票をした人はいないという前提で書いてます。お前ら信じてるぜ……)
口コミの威力
最初に得票数が爆増したのは、口コミの力でした。もともとバンドブラザーズのファンのボーイズ&ガールズたちは、Twitterでゆるい連帯を築いており、一つの村のようになっていました。そこに、「ねとらぼの任天堂シリーズアンケートの選択肢にバンブラシリーズがある」といううわさが流れ込みました。投票してはシェア、投票してはシェア、というのを村民が繰り返しに繰り返した結果、バンブラは瞬く間に1位になり、一種の祭り状態になりました。
ただ、「祭り状態」という言葉はミスリードを招きかねません。ずいぶん昔に話題になったインターネットの悪ふざけである、「【コイル祭り】Yahooきっずのポケモン投票でコイル一位にして消防ども泣かそうぜ」という事案を想起させるためです。コメント欄などでこれを言及する声がありましたが、今回の事象は、これとは性質が違います。それは、扇動者がいないという点です。今回の件で、「バンブラを1位にしようぜ」と呼びかけた人は(たぶん)いません。悪ふざけによる力学が働いたわけではなく、口コミが口コミを呼び、多くの人が自分の意志によって投票行動を行った結果がこれにつながっています。コイル祭りの件は、多くの人が自分の意志によって投票行動を行った結果というよりは、扇動者に操られて投票行動を行った結果と言えると思います。また、これらの投票行動は悪意に基づいたものではありません。「不人気ゲームであるバンブラシリーズを1位にしてねとらぼを困らせてしまおう」という力学ではなく、「バンブラあるじゃん!!集合!!」という力学です。したがって、人気投票に人気で勝つ、という当然にして王道のやり方で得票を集めただけに過ぎないのです。
はけ口のなさによる「飢え」
選挙の日に雨が降ると、無党派層が選挙に行くのを面倒くさがり、大票田を持つ政党が有利になるという言説があります。このように投票行動というのはたとえ手間がわずかでも面倒なもので、強い意志がある人や、何らかの見返りを得られる人でないと進んで行わないものです。
たとえば、ポケモンシリーズやマリオシリーズが好きな人が、今回のねとらぼ調査隊の記事を見た時、どうするでしょうか?大半の人はこれをスルーすると思われます。なぜかというと、好きではあるけれども、わざわざ投票しに行く2クリックの時間とデータ通信料を割くほどではないと思うからです。投票行動をすることによって、周囲から褒められるわけでもないですし、金銭や娯楽を得るわけでもありません。
今回の場合、バンブラ界の人々(人?)には、投票行動をスルーしない大きな理由がありました。それは、バンブラシリーズの灯が現在時点で途絶えてしまっていることです。新作の情報が出ていないことの理由が何なのかはわかりません。ですが、一番まずいのは、人気がなさそうだから開発をしない、という結論になってしまうことです。我々は、「新作が欲しい」という声を上げ続けなければいけないという一種の強迫観念に似た感情すらをも持っています。そのため、その発露として、今回の投票行動に至ったという要素もあるように思います。もちろん、任天堂という超一流企業が、一介のねとらぼの記事で何かしらの意思決定をするようなところではないことは重々わかっています。それでも、狂信的な信者が、バンブラシリーズへの愛を示す機会が、たったの2クリックで与えられるということになれば、そこに群がるのは当然のことだったのだと思います。まして、そんな機会が年レベルの久しぶりで訪れたので、親戚の家への帰省ラッシュのごとく、集まってきたのです。バンブラ界の面々の投票行動は、一つのアイデンティティの発露ですらあった、と言えます。「オレたちはここにいるよ。」という、自己存在証明の発露です。
口コミの威力(ふたたび)
バンブラシリーズの得票の動きを見ると、一度ゼルダの伝説シリーズに抜かれ、その後抜き返すという動きをしています。これは不思議な動きです。最初の爆発力で、すべての力を使い切ったと思っていたので、もう一度抜き返すだけの力はどこから湧いてきたのだろうか?と非常に不思議に思います。不正はなかったと信じているのですが、ここで一つの仮説があります。
それは、投票記録をツイートしている人の数の差です。ねとらぼ調査隊の記事は、最初のうちはアクセス数ランキングの上位に位置するなどして、広い層からのアクセスがされますが、やがてアクセス数が落ち着いてくると、ランキングからは消え、違うルートからアクセスする人しか見なくなってきます。実際のアクセスログのデータを見ていないので推測でしかないですが、あとからこの記事で投票行動をした人は、バンブラに票を入れた人のシェアしているリンクからアクセスしてきた人が多かったのではないか?と思います。実際にツイート検索してみると明らかなのですが、明らかにバンブラに投票したことを表明している人の数が圧倒的に多いのです。これは先述した理由で、バンブラ界の住人が「ここにいるよ」ということを示す行為にはツイートすることまでが含まれているためであると思われます。おそらく、最終的にバンブラシリーズが優勝することができたのは、こうした熱烈的なファンたちによる小さな行動の結果が積み重なったものである、そう確信しています。「組織票」「団結力」という言葉では語りつくせない、一種の「結晶」のようなものではないかと思います。
次回作待ってます
バンブラシリーズには、多くの人たちが、「新作を待っています」「オレたちはここにいるよ」と表明するだけの強い強い魅力があります。強い魅力があるからこそ、次回作のハードルは上がり、越えねばならない壁も大きいものであると思っています。ですが、任天堂のすごい方々は、そんな壁を軽々と越えて、わたしたちを驚かせる、人生を変えるすごいゲームをまた提供してくれると信じています。なぜなら、今までもそうだったからです。わたしたちはいつまでも待っています。バーバラ先生の次回作を。ここにいるよ。
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