本の散歩 63/69@調布市 深大寺

画像1 『ほんまにオレはアホやろか』水木しげる。 桁違いの人である。大地のように大きくて全貌が掴めない。だから人によってはアホにも見える。老子的である。本書は水木に影響を与えたのんのんばあ、南島での戦争、原地民との交流、終戦後の赤貧の日々など波乱万丈の自伝的作品。ところが戦争で失った片腕の話はわずか一行。壮絶な体験も水木にとっては蚊に刺されたほどの扱い。天与の楽天主義で規格外の人生を生きた人。読むうち自分の悩みなどちっぽけに思え、元気をいただく。水木は目には映らぬものを愛し愛された。鬼太郎茶屋にて目目連と共に。

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