本の散歩 2/69@中野区 野方

画像1 『ひとりずもう』さくらももこ。 わたしがさくらももこのエッセイに出会ったのは彼女が亡くなった後。こんなに面白い文章になんでもっと早く出会わなかったのかと悔やんだが仕方ない、人には出会う時期があるのだろう。さくらももこのエッセイはどれも日常の機微を馬鹿馬鹿しく描いて抱腹絶倒だが、本作はさらに思春期のナイーブな感触を浮かび上がらせて愛おしい。何の役にも立たないことの中に真実を見出だす老子に通じるようなバカでかい世界観。人生賛歌。自分がさくらももこと同じ清水に育ったことが誇らしくてならない。

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