続・本の散歩 52/69@横浜 白楽

画像1 『心が雨漏りする日には』中島らも。自身のうつ病と躁とアルコール依存症の体験を丸ごと使って書かれたエッセイ。堕落的で破滅的で無茶で不道徳で…ゆえに尊い。自死の念慮に囚われた逸話の空恐ろしさよ。一方でそうした人生の体験の数々を痛みながらも楽しむユーモラス(humorous=人間味溢れる)な感性。壮絶な体験から湧出するのは同じ苦しみを抱える者たちへの優しい眼差し、癒し救済。誰しもアガる時もあればサガる時もある。どんな学術的な論拠を持つ言葉より心に届く。ヤル気のまるで起こらぬ五月某日、横浜六角橋商店街の喫茶店で。

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