続・本の散歩 38/69@墨田区 蔵前橋

画像1 『東京日和』荒木陽子+経惟。幼い頃、春のうららの〜♪という歌を父がよくかけていたせいか、隅田川はわたしの原風景になった。上京して30年以上経った今もこの川を見るとあぁ東京だ、とお上りさん気分になれる。が、東京で生まれ育った人たちにはいかにも観光的で、タワーも橋もない町角こそが東京の風景かもしれない。アラーキーが写す東京もそう。愛妻ヨーコさんを亡くし、一人歩くAが写す町にバエルものは何もない。写るのはただAの虚ろなココロ。虚空。なるほど空景か。東京日和…いい響きだ。勿体ないくらい心地いい日に本を持ち出して。

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