続・本の散歩 24/69@横浜 寺家町

画像1 『雨の日はソファで散歩』種村季弘。クラフト・エヴィング商會のモダンな装丁とシンパシーを覚えるタイトルに手を伸ばした。稀代のエンサイクロペディストと呼ばれる種村に出会う。異端的・暗黒的な著書が多い著者も随筆はオーソドックス。衒いのない文に信のおけるその人が浮かぶ。日々の暮らし、古今東西の書評、温泉、怪談、酒食と話は縦横自在。人の人生は雑談みたいな話にこそ表れる。何十年の間に書かれた文章で編まれた本書も著者そのものだろう。該博深淵な世界も入り口は明るく澄んでいる。雨にけぶる畑を見ながら、さて次どこへ行こうか。

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