本の散歩 61/69@渋谷区 明治神宮

画像1 『ニングル』倉本 聰。 ニングルとは古来より北海道の森に住む小人。未開の民族。フィクションかノンフィクションかは読む者に委ねられる。「北の国から」で知られる脚本家・倉本聰が本人として登場し、物語を語る。読み進むうち、大切なのは奇妙な話の虚実にあるのではないと気づく。作者、いやニングルからのメッセージをどう受け止めるかだ。本書は‘知らん権利’なるテーマも含有する。知ることばかりを求める情報社会へのアンチテーゼが胸を衝く。文明と人間の進化はイコールではない。神宮の森には目には映らぬものたちの気配が漂う。

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