本の散歩 57/69@三浦市 三崎

画像1 『センチメンタルな旅・冬の旅』荒木経惟。アラーキーが妻陽子さんとの愛の日々と死を撮った本。頁をめくるにつれ胸がつまる。が、待てよ。何か引っかかる。荒木が妻を愛したことを嘘とは思わない。しかしこの本、巧みに‘虚’が混じってる。葬儀で悲しみにくれる荒木の姿は誰が撮ったのか…。つまりこれ写真の真実味を用いて作られた虚も実も性も聖もごちゃ混ぜのドキュメント&ドラマ。棺の妻の写真を篠山紀信は否定したという。愛する者の死さえ創作にせんとする業をどう捉えるか。もう一度頁をめくってみた。んーやっぱり写真が滲んで見える。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?