本の散歩 47/69@横浜 山手外国人墓地

画像1 『私とマリオ・ジャコメッリ』辺見庸。 4Kだ8Kだと高精細になるほど美しい映像だと言う者たちがいるが本当か。高精細は高画質を生む。しかし画質の高さはイコールで美しさを意味しない。資本に拠る現代はそうした定義を曖昧にして、模造された美を押し着せる。マリオ・ジャコメッリは生と死のあわいを白黒で捉えたイタリアの写真家。もはや死の側で撮られたかのような写真に眼を奪われる。ジャコメッリに共振した辺見庸の言葉が画一化された思考にパンチをくらわす。青空の下の外国人墓地では、生も死もどこかカラッとしてる気がした。

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