続・本の散歩 23/69@横浜 伊勢佐木町

画像1 『死刑長寿』野坂昭如。かつて何をやらかすか分からぬ著者にハラハラ、否ワクワクした。インテリで嘘臭くて挑発的で無垢な少年みたいなくせに頽廃的でダンディで。65歳以上にエレクションテストなる法が施行され、タツ者は命を許されるがタタぬ者は安楽死…くだらぬ妄想がつき抜けて文学に。高齢化社会を痛烈に皮肉った短篇集。が、現在の為政家を思い浮かべるに一寸先は闇、これを妄想と一笑にふすことも出来ぬとゾクとする。嘘と現実の別が吹っ飛んだ。野坂はシニアの性特集が週刊誌を賑わす未来も前知していたか。その界隈で有名な薬店前で。

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