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定めるところ

2/22


新しい抗うつ薬を試すことになる。以前も飲んでいたのだけれど、効果より副作用がひどくて中止になった。今回の薬はうまく効くと良いな。

家から外に出るまでがつらく、外に出てしまうと帰りたくない。毎日を作業のようにこなしている。今はこうやって生活をしているだけで十分だと思おう。

楽しい約束がたくさんあるのに、隙間を見つけるとすかさず落ち込んでしまう。

2/25


ディズニープラスに加入した。
サブスクはNetflix、Amazon Video、U-NEXT、Spotifyに既に加入している。入り過ぎか?と思うけれど、サブスクというものが登場する前からレンタルビデオ屋やビデオショップで同額程度のお金を使っていた。

動画配信系のサブスクは便利だ。しかしやはり味気ない。ハズレの映画を見なくなった。レンタルビデオ屋でパッケージだけで選んだ映画がどうしようもなくつまらなくて「時間を返せ」と怒っていた事が懐かしい。今ならすぐに違う映画を見ることができる。自分の好みに合う映画やドラマをAIが選んでくれるので、何を見ても平均以上程度には楽しめる。
くだらない映画を見て怒るというエンタメは死滅してしまうのかもしれない。

2/26

戒厳令というイベントに出る。永遠嬢様と緊縛ショーをする。
女の子たちの素肌にチョコレートを塗りマシュマロを付けて食べたり、だるまさんがころんだでM字開脚をしたりする。

こうやって書くと一体何のことやらと思ってしまうが、名古屋で実際にあったイベントである。久しぶりのお祭り騒ぎだった。

2/29


ドミロンカレーの店主さんと名古屋をうろつく。
我々はビルを一棟買って、ヤングたちが経営するスタジオや本屋、飲み屋をテナントに入れ、面白おかしく生活するという目標を掲げている。叶えたい夢、というより、そういう生活をしている自分たちが想像出来る。


にこにこしながらシーシャを吸っているドミロンさんの顔を見て、胸が熱くなった。こうやっていつまでも好きなことを一緒に楽しんでいきたい。20歳から遊んでいるのに、変わらないテンションで付き合っていける。いつだっていまが一番楽しいと教えてくれる。

帰り道、和装と黒いスーツのおねえさん2人組を見かける。2人は喫茶店の窓際に座っており、ありきたりな表現だが映画のようだった。あんなふうになりたいですね、かっこいい大人になりたいですね、とおおいに盛り上がる。
かっこいい大人になるには何をすればいいかわからないけれど、自分で考えて決めて、泣いたり笑ったりして生きていきたい。

2/28
裸で座っている仕事をする。足元にお菓子を御供えしてもらう。

3/1


よく撮るお嬢さんから家族写真の撮影の依頼を頂く。真面目にやっていて良かった。こんなに光栄なことはない。

3/2


最近は寝る前にキム・ギドクの映画を見ている。
薄れゆく意識と並行するように、登場人物たちが取り返しのつかない不幸に向かっていく。絶望を受け入れるのは楽な選択にも思える。

3/3


弟とモーニングに行く。父から貰った革ジャンを着ており大変似合っていた。私も同じく父から貰った革ジャンがあるので、それを着てこれば良かったと思った。

スタジオに向かう途中、盛大に転ぶ。リュックの中にはカメラとパソコンが入っていたので慌てて取り出して確認する。道端でジャーンと鳴らした。壊れていなくて安心した。

ひな祭りのご飯が食べたい!と思っていたが、転んだショックでどうでもよくなる。

国外に引っ越した知り合いの女が帰国するとの知らせを聞く。顔見知り程度の天敵なのだが、懐かしい顔を見れるのは嬉しい。

3/4


集中力が全く続かない日。気がつくとディズニープラスを開きシンプソンズを見ていた。

何とか片付けて、夜はジムに行く。
以前から格好いいなあと思って見ていたおねえさんと、ついに話をする。それだけでなくフォームをなおしてもらう。嬉しくて張り切ってトレーニングをした。
この頃は体力の低下と共に筋トレのモチベーションも下がっていた。日々減っていく筋肉を悲しく思っていたが、これからも細々とでも続けていこう。

今週は毎日じゃかじゃか写真を撮り、納品し、裸になり、逆さまになり、夜は死んだように眠っていた。
先週貰った抗うつ薬は捨てた。

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