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冬のにおい

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展示が終わって数日が経った。祭りの後の高揚感も落ち着く。

セルフポートレートがもっと見たい、と言ってもらえて嬉しかった。過去に出した写真集が欲しいとたくさんの人に言ってもらえた。

セルフポートレートも女の子も、自宅でのんびり撮りたい。物置になっていた部屋を片付けて模様替えをしている。
適当な布を下げてカーテンの代わりにしていたが、ちゃんとしたカーテンをつけた。女の子に寝そべってもらえるようにベッドを注文した。
来週くらいにはちゃんとした部屋にしたい。我が家で撮影したりご飯を食べたりしましょう。

私は女子会をひらくのが好き。
場所や食べ物の手配、女の子たちへの連絡やらを済ませて当日皆んなが集まったらスッと気配を消したい。女の子たちがキャッキャしているのを見ているだけで幸せ。
しかし女の子たちを撮りたい!仲を深めたい!という気持ちも同じくらいある。「か、か、か、かわいい〜!!!」等と大騒ぎしながら撮ったり話し込んだりして終わるころには心地よい疲労感でくたくた。終わってほしくなくてだらだらと引き伸ばしたい。でも名残惜しいくらいで解散した方がいい。次の約束を楽しみにしながら毎日を過ごせるから。

お仕事で夜職の女の子を撮影するときも同じ。
時間を決めてお金を頂いているのだけれど、可能なら時間をかけて撮影して仲良くなりたい。女の子の都合もあるから、なかなかそうはいかない。趣味で好きで撮らせてもらっている女の子たちと、仕事で撮る女の子たち、皆んなおんなじくらい大切に想っている。
撮影依頼をくれる夜職の女の子たちの売り上げが伸びますように。私の撮った写真で指名が増えたら、そんなに嬉しいことはない。

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冬の朝のにおいが好きだ。部屋の中にいると全く気づかない。
玄関の扉をあけるとまず頬が冷たさを感じる。それからにおいがくる。
実家に住んでいた頃はこの冷たいにおいが嫌いだった。朝玄関を出る=学校に行く、だったからだろうか。なので自然と憂鬱な気持ちになるが自転車に跨る頃には「いやいや、めっちゃ好きな仕事をしに行くだけじゃん」と気づく。しょんぼりしていた気分が嘘のように回復する。
気持ちを取り直したところでまた冷たいにおいがする。

伽十心くんの展示第二弾 #devilment13 を見に行く。伽十心くんは文章を書いている人。作品を丁寧に推敲すると聞いて震えた。精密な文章は推敲を重ねたからなのだ。私のブログは推敲したら何も残らないだろうなと思い、二度震えた。

伽十心くんが私を撮ってくれた写真を元に作家さんたちが文章をつけてくれた。一枚の写真から情景や物語が溢れてくるなんて、なんて素敵な才能だ。皆さんの心が豊かで羨ましくなる。

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明るい人に見られたくて必要以上にはしゃいだり大きな声を出したりする癖を治したい。
日記を読み返したら何年も前から悩んでいたと分かった。そんなことをしなくても周りにいてくれる人たちなのに・・・。

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初めて会うお嬢さんを撮る。めちゃくちゃに緊張したけれど良く撮れた。私が撮影した子もしてない子も、みんなの売り上げがのびますように。

早く死ぬと思っているので、先のことを考えるのが苦手だ。でも最近は保険に入ったり、大きな家具を買ったり、歯医者に通ったり、何年後にはこういうことをしたい、と考えられるようになってきた。
「死ぬから意味ない」と何もしなかった自分の考え方は変わらないけれど、私の中で何かが変わったのだろうか。

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