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旧暦で生きる人たち 〜中国の旧正月〜

1000日修行30日目
またしても旧正月ネタである。
今年の、というか来年の旧正月は2月1日で、大晦日は1月31日(当たり前か!)だ。彼らは大家族が集まる大晦日を、より大切にしている気がする。

さて。普段はブラック企業バリバリの中国の縫製工場も、年に一度の旧正月は3週間から1ヶ月近く休む。目安が、大晦日前1週間から新年15日までがラインの工員の平均的休暇で、事務職は1週間くらい短い。

皆んな出稼ぎで、しかも電車で48時間なんてところからの人もいるので、そのくらいないと行き帰りで休みが終わってしまう。うちの工場にいた工員さんで最遠隔地から来ている人は、ウランバートルからで、飛行機で6〜7時間(日本まで5時間)、電車で72時間と言っていた。 

そして、そんな思いをして帰るので、そのまま田舎から帰ってこない人達も出てくる。

それを防止する為に、私たちも必死に考える。
まずは、ボーナスは休み前に半分、休み明けに残りを渡す。それと、休み明けにはお年玉をあげるのだが、今日からだよ!と言う日にちゃんと出勤した人には例えば5千円、翌日から2日以内に出勤すれば半額の2,500円、4日目から7日目以内なら1,000円、それ以降は無し、みたいにしておく。これが結構効いたりする。

さて、その新年「今日からだよ」を決めるのが、また大変。
旧暦の暦は大体1日は何だか色んな名前が付いていて、2日を初2、3日を初3と言う様に、2〜9まで初が付く。その後は普通に10、11となっているのだが、1月は初8や初9が縁起の良い日と言われており、まず8や9が営業開始に良い日かどうかを見る。
「開光」となっていればオッケー。なっていなければ、その後の日にちで開光が記されている日を選ぶ。この辺の縁起担ぎは徹底している。

それが毎年違うタイミングで繰り返されるのだが。。。
新年がグレゴリオ暦的には毎年変わる訳だから、旧正月前後の仕事は毎年悲鳴を上げるほどの混迷を極める。
そして旧暦だと日にちにズレが出るので、何年間に一度は13ヶ月になり、暦の調整が入る。この辺になると、もう私達の常識ではついていけない。

考えてみると、日本も昔は旧暦で暮らしていた。季節感を追っていくと、なるほど、旧暦の方がピッタリくる感じもする。だが、ビジネスの場面では、毎年変わる正月のスケジュールに左右され、下手をすると1ヶ月分の業績の差を生んだりするのである。

それでも、その文化・習慣を固持する中国。"さすが!"と思ったり、"いい加減にして欲しい"と思ったり、、、毎年、複雑な心境になるのであった。

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