見出し画像

着物の身丈は二種類あります

====================
本日のお題:着物の身丈は二種類あります
呉服のきくや本店:https://www.kikuya.shop/

きくや着物チョイ話は着物好き方々のために参考になることを紹介させて頂く豆知識メルマガです。着物教則本などに載っているものではなく現在呉服業界で営業している呉服店発の生の情報を配信しております。

上記本店サイトに会員登録していただくと、毎週水曜日にご登録のメールアドレスに同じ内容のメルマガが配信されますのでぜひご登録ください(noteの更新はメルマガ配信より1-2日程度遅れます)。

ツイッターでも毎日着物豆知識をつぶやいています。
TwitterID:@gofukunokikuya

きくや着物チョイ話はメール全文そのままご使用時に限り、転載・無断使用可能です。

====================
いつもメルマガのご購読、ありがとうございます。昨日、紳士物の袴をたくさん登録したのですがご覧いただきましたでしょうか。リサイクル市場でも袴なんてあまりでてこないので、売りに出されているのをみて全部買い占めました。

なにせ私自身も30年の呉服屋生活で自分に買ったことがあるだけでお客様に販売したことないですからね。袴を仕立てることができる和裁士さんもどんどん減っていると聞いています。流通している数が少ないので、必要な方は是非ご覧くださいませ。

会員様向けプレゼントは来週月曜日で締め切りです。とりあえず応募しなくちゃ当たらないので是非ご応募くださいませ。

====================
■リサイクル着物続々入荷中です!是非ご覧下さい。本店サイトは楽天などのショッピングモール価格よりも5-10%程度お安く提供いたしております。

====================
■着物の身丈は二種類あります

本日のお題は「着物の身丈は二種類あります」です。これ、もうベテランの方は「そんなこといちいち言わなくても知っとるわい!」と思われると思いますが、初心者の方にとっては非常に間違いやすく、でもリサイクル着物を選ぶ際にも非常に大事なことですので是非今回覚えてください。

リサイクル着物を購入するときにどの寸法までご覧になりますでしょうか。一番気になるのは裄(手の長さ)、その次は身丈、そして前幅、後幅などの身幅といったところでしょうか。褄下や袖付まで気にする方はあまりおられないかもしれません。

まあ、そこまで気にしてしまうと、全て自分の思い通りの寸法でなおかつお気に入りの色柄と出会える確率なんてゼロに近くなりますのであまりお勧めいたしません。せいぜい裄と身丈、袖丈は中で長襦袢が余ったら折ればOK、身幅もそこそこ調整できるでしょ、と適当に考えるぐらいで結果的に着物を楽しめるかもしれません。

ところで着物の身丈って二種類あるのをご存知でしょうか。この二種類の身丈のためにリサイクル着物店では返品が多いと聞いたことがありますのでぜひ今回のメルマガの内容を理解して間違えないようにしてくださいね。間違えて買ってしまっても返品できなかったり、返品できたとしても返送時の送料を負担したり、店側もせっかく売れたと思ったら戻ってきたりでお互いに手間がかかると思いますので…。

先ほどから書いております着物の身丈の二種類とは、肩からの身丈と背からの身丈の二種類です。肩からの身丈は肩山から裾までの長さ、背からの身丈は背縫いの長さ(首の後ろの部分から裾までの長さ)です。ご存知のように着物は繰り越しがありますので場合によっては肩からの身丈と背からの身丈は数cmの誤差が出てきてしまいます。

私は洋服のことはよくわからないので今改めて検索してみたところ、洋服も身丈と着丈があって、身丈は首の横の付け根から裾までの長さ、着丈は首の後ろの衿の中央部分から裾までの長さとありました。洋服の場合は身丈が肩からの身丈、着丈が背からの身丈ということのようです。着物もこのように区別していれば混乱することがなかったんでしょうけれど(長襦袢寸法を着丈、着物寸法を身丈と区別して呼ぶ方はおられます)、残念ながらどちらも「身丈」と呼ぶのでただ単に「身丈」というとどちらかわからず、わざわざ「肩からの身丈」「背からの身丈」と区別して呼ばなければならなくなりました。

私がこの業界に入った頃、その店は肩からの身丈を採用しておりまして、お客様の採寸をする時には肩からの寸法を測るのでそれはいいのですが、お客様からの持ち込みの反物で寸法を指定される場合、お客様もあまり詳しくない方が多いため単に「身丈○○cm」と指定されるんです。私はまだ業界に入りたての初心者だったため、その寸法を右から左に加工担当のおば…いや、お姉さまに伝えると「これ肩からの寸法?背からの寸法?はっきり書いて!」と怒られたのをよく覚えています。

店で採寸したのであれば肩からの寸法であるのは当然なんですが、持ち込みで当店が寸法を測るのではなくお客様自身が寸法を指定する場合は背縫いの長さを測ってこられる方がかなり多く、できるだけ行き違いをなくしてお客様に満足していただきたいという、そういう状況をよく知っているお姉さまならではの気遣いでした。

私が昔勤務していた店では肩からの寸法を採用しておりましたが、呉服業界ではどちらが標準かと言いますと、私の知っている限りではやはり肩からの身丈を採用しているところが多いようです。

これにはれっきとした理由がありまして、肩からの身丈ですと仕立てるときに縫い代分を足して単純に二倍すれば身丈に必要な反物の長さが計算できます。一方、背からの寸法ですと繰越分の誤差が出てまいりますので単純に縫い代分を足して二倍すればいいという話ではなくなってしまいます。背からの寸法ですと、寸法を語る上で繰越という別の要素も加算しなければならなくなってしまうため、肩からの寸法を採用しているところが多いようです。ちなみに当店もその業界の標準に合わせて肩からの寸法を採用しております。

現在の状況はどうなのかな、と先ほどネット検索をしてみましたところ、ほとんどの店が「肩からの寸法」ということを明記して販売しておられましたが、中にはどちらか明確に書いておらず、適応身長のみを書いておられる店もありました。適応身長が書いていれば着られるか着られないかは判断できますのでそこまでの寸法が必要かどうかはさておき、もし細かい寸法が知りたい場合はしっかりと店に問い合わせることをお勧めいたします。

さて、今回の着物の身丈は二種類あるというお話はいかがでしたでしょうか。来週は白の長襦袢は留袖と黒紋付だけに合わせるのか、それとも訪問着や小紋にも合わせることができるのか、というテーマで書いてみますのでお楽しみに。

====================

発行:新品とリサイクル着物 呉服のきくや
住所:大阪市大正区泉尾3-15-4
電話:06-6551-8022
https://www.kikuya.shop/

上記URLにて会員登録していただくと毎週水曜日にこのブログと同じ内容のメルマガがご登録のメールアドレスに送信されます。

====================

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?