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薬用キノコは代謝の健康を促進し、免疫力を高める

 自然療法家たちは、2000年以上も前から、免疫力を高め、うつ病や疲労と闘うために、世界の温暖で湿度の高い地域の木に生える霊芝を勧めてきました。
 例えば、霊芝は植物学的にはマンネンタケ科(Ganoderma lucidum)に分類され、中国伝統医学(TCM)では "lingzhi "として知られています。腸内細菌叢を調整し、バランスをとることによって、肥満に対しても作用します。
 
●霊芝が腸内環境を改善し肥満対策に役立つ可能性がある
 健康でバランスの取れた腸内細菌叢(マイクロバイオーム)は、代謝疾患や肥満の予防に不可欠です。微生物に燃料を供給できるプレバイオティクス食品として、霊芝はマイクロバイオームに貴重なサポートを提供します。中国科学院合肥物理科学研究所の研究者が行った新しい文献レビューで、研究者らは、霊芝に含まれる多糖類が、2つの異なるタイプの腸内細菌の比率に好影響を与えることによって、腸の健康を改善する可能性があると報告しました。さらに、霊芝エキスを摂取することで、腸の炎症を防ぎ、脂肪組織の発達を抑制し、有害なバクテリアの蓄積を減少させ、肥満の抑制に役立つという研究結果も発表されています。腸内細菌は運動、食事、遺伝に影響されますが、霊芝も重要な働きをもたらすようです。

●霊芝は免疫防御を強化し、急速な細胞分裂への反撃にも役立つのだろうか?
 霊芝にはβ-グルカン、アミノ酸、多糖類などの化合物が多く含まれ、これらは急速な細胞分裂を抑制し、細胞の突然変異を防ぐと考えられています。International Immunopharmacology誌に掲載されたある対照試験では、霊芝を1日5.4グラム、12週間摂取したところ、進行性大腸がん患者の白血球数が増加したことが示され、さらに別の研究では、病原体を取り込んで破壊する白血球であるリンパ球の機能を改善することが示されました。科学者たちは、霊芝には免疫活性を調整する能力があるようだと報告していますが、利点と安全性をさらに追求するため、さらなる研究が必要である、と述べています。
 また、霊芝を従来の治療薬と一緒に投与することで、免疫力を刺激し、病気を持つ人々の生活の質を高めることができると考えられています。ちなみに、霊芝エキスがもつ抗菌性、抗ウイルス性、抗真菌性は、感染症を防ぐ働きをする可能性もあるようです。

●キノコはうつ病の確率を低下させるかもしれない
 アメリカの成人の5%近くが定期的にうつ病の症状を訴えており、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)はうつ病を公衆衛生上の重大な問題とみなしています。うつ病の症状には、罪悪感、自尊心の低下、集中力の低下、睡眠障害、体重の変化などがあります。
 ペンシルベニア州立大学の科学者が行った研究によると、霊芝や他の種類のキノコ類はうつ症状を和らげ、このような症状を発症するリスクさえも低下させることが示唆されています!Journal of Affective Disorders誌に掲載された2万4千人の成人を対象とした大規模な集団研究では、キノコを食べている人は気分が落ち込む確率が低いことがわかりました。研究チームは、エルゴチオネインとして知られる抗酸化アミノ酸(すべてのキノコに含まれている)が、この説得力のある結果の背景にあるのではないかと推測しています。この研究では、一般的な白いボタンマッシュルームが使われましたが、研究者たちは、β-グルカンとガノデリック酸を豊富に含む霊芝が、摂取するのに最適なマッシュルームのひとつではないかと考えています。
 
●アダプトゲン霊芝は心身のストレス対処に役立つ
 霊芝は食用とされていますが、その苦味と硬い食感から、エキスの形で人気があります。なお霊芝や霊芝エキスを摂取するときは、統合医や経験豊富なヘルスコーチに相談するようにしてください。
 

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