NAFLDを予防し、肝臓の健康をサポートする

　肥満と 2 型糖尿病の割合が上昇し続ける中、肝臓病は主流メディアではほとんど無視されてきました。そして、この問題は広範囲に及んでいます。実際、専門家によれば、非アルコール性脂肪性肝疾患（NAFLD）は現在、世界人口の約 30％ に影響を及ぼしています。

　残念なことに、肝臓病の症状は初期段階では非常に軽度であったり、気づかないこともあるため、多くの人が肝臓病にかかっていることにさえ気づきません。しかし、この「静かな」病気は、致命的な結果をもたらす可能性があります。重要なことは、NAFLD が非アルコール性脂肪肝炎 (NASH) と呼ばれるより深刻な状態に進行する確率は約 25％ で、肝臓の瘢痕化、肝不全、さらには肝臓がんを引き起こす可能性があるということです。

●肝臓病を自然に予防する
　肝臓は、血液中に蓄積されるアンモニアなどの毒素や老廃物を中和して除去します。さらに、脂肪の消化に必要な胆汁を生成し、必須ビタミンやミネラルを貯蔵し、アルコール、医薬品、環境毒素を分解して解毒します。しかし、  NAFLD によって肝機能が損なわれる可能性があります。NAFLD とは、肝臓の 5％ 以上が脂肪で占められている状態を指します。名前の通り、NAFLD はアルコール飲料をほとんど、またはまったく飲まない人にも発症する可能性があります。

　加工糖や脂肪分の多い食品を過剰に摂取すると、太りすぎや座りがちな生活習慣と相まって肝臓病のリスクが高まります。さらに、処方薬や市販薬の使用も NAFLD の一因となる可能性があります。
 
● NAFLD は脂肪肝炎に進行するリスクがある
　NAFLD を抑制しないと、肝臓の 10％ が脂肪で占められる非アルコール性脂肪肝炎 (NASH) に進行する可能性があります。NASH の症状には、疲労、尿の黒ずみ、体重減少、食欲不振、黄疸 (皮膚や目の黄色化)、腹部の中央または右上部の痛みなどがあります。

　NAFLD はますます一般的になっていますが、幸いなことに肝細胞には驚くべき再生能力があります。NAFLD は、簡単なライフスタイルの変更と栄養管理によって予防、治療、さらには回復させることができます。
 
●ミルクシスルに含まれるシリマリンは肝細胞の回復を助ける
　肝臓病に対するハーブ療法に関して言えば、ミルクシスルは最高の薬効を持っているかもしれません。その有効成分であるシリマリンは、肝臓を解毒し、フリーラジカルによる酸化ダメージを軽減し、肝臓の炎症を緩和し、脂肪の代謝を調節し、血液中の毒素を除去する効果があることがわかっています。シリマリンは肝臓がん細胞の増殖を抑える効果があることが示されており、肝臓がん患者の臨床研究では生存率の延長にも役立っています。
 
　さらに、シリマリンはインスリン抵抗性を改善し、肝臓に対するもう一つの脅威である糖尿病と闘います。シリマリンは肝細胞を再構築できるため、アルコール摂取、農薬、重金属による損傷を回復させることができます。70 ～ 80％ のシリマリンを含むように標準化された非遺伝子組み換えミルクシスル製品を探してください。ホリスティック医療従事者は通常、肝臓サポートのために 1 日あたり 280 mg ～ 450 mg を推奨しています。

●ターメリックに含まれるクルクミンがNAFLDと闘う
　ターメリックは、アーユルヴェーダ療法や伝統的な中国医学において肝臓をサポートする主力成分であり、カレーやマスタードにピリッとした風味と独特の黄色を与える一般的なキッチンスパイスです。ターメリックが治療効果を持つのは、抗酸化フラボノイドであるクルクミンが含まれているためです。ランダム化臨床試験では、クルクミンが肝臓の脂肪を減らし、炎症を抑え、健康的な胆汁の生成をサポートし、解毒を促進する能力があることが裏付けられています。クルクミンはサプリメントとしても入手できます。肝臓サポートのための「標準的な」推奨量は、1日あたり約450～1,000 mgです。
 
●グルタチオン
　グルタチオンはあらゆる細胞に存在しますが、特に肝臓に集中しており、解毒に不可欠です。しかし、多くの貴重な生命維持化合物と同様に、通常の加齢（および慢性疾患）とともにレベルが低下します。しかし、ほとんどの専門家は、グルタチオンのレベルを高める最良の方法はサプリメントではなく、グルタチオンの 3 つの「構成要素」であるアミノ酸のシステイン、グリシン、グルタミン酸が豊富に含まれる食品を最適な量摂ることだと言います。オーガニックのケージフリー卵、ニンニク、非変性ホエイプロテインは、ブロッコリーや芽キャベツなどのアブラナ科の野菜と同様に、グルタチオン濃度を高めるのに特に有効です。その他の良い供給源としては、アスパラガス、ほうれん草、アボカド、カボチャ、緑茶などがあります。
 
●N-アセチルシステインがグルタチオンを再生する
　N-アセチルシステイン（NAC）はシステインのサプリメントです。肝機能に不可欠なため、病院では生命を脅かすアセトアミノフェンの過剰摂取を治療するために使用されています。NAC は、毒素によって枯渇したグルタチオンのレベルを回復してくれます。臨床研究では、NAC が NAFLD 患者の肝機能を大幅に改善できることも示されています。NAFLD の治療に通常使用される量は、1 日あたり 500 mg ～ 1,000 mg です。

●ビタミンCは肝臓の周りの脂肪蓄積を防ぐ
　ビタミン C はアスコルビン酸としても知られ、強力な抗酸化物質であり、免疫システムを強化します。この必須ビタミンは肝臓の酸化ダメージを防ぎ、蓄積された脂肪を減らすのに役立ちます。ある研究によると、1 日 500 mg のビタミン C でも脂肪の蓄積を防ぐことができ、1 日 5,000mg のビタミン C は脂肪を積極的に排出するのに役立ちます。ホリスティック医療従事者は肝臓サポートのために 1 日 1,500 mg の摂取を勧めるかもしれません。ちなみに、ビタミン C の先駆者である　Linus Pauling 博士は、通常、1 日 2,500 mg から 10,000 mg 程度のやや高い摂取量を勧めています。

●アルファリポ酸（ALA）はグルタチオンの効果を高める
　このビタミンのような化合物は水溶性であるため、細胞膜に容易に浸透して治療効果を発揮します。強力な抗酸化物質である ALA はグルタチオンと密接に連携して、有毒な重金属を中和して除去し、有害なフリーラジカルを除去します。研究により、ALA は肝臓損傷に伴う瘢痕化を軽減できることがわかっています。肝臓サポートのための一般的な摂取量は 1 日あたり 100 ～ 300 mg です。

●オーガニック食材で肝臓を守る
　サツマイモ、カボチャ、ニンジンなどベータカロチンを多く含む食品を食べることは、肝臓病を防ぐ賢明な方法です。ベータカロチンは体内でビタミン A に変換され、毒素を排出し、肝臓の脂肪を減らすのに不可欠です。バナナやビートの葉などカリウムを豊富に含む食品も肝臓に有益です。

　最後に、アルコール、精製糖、揚げ物や脂肪分の多い食品、加工食品、ファーストフード（ジャンクフード）を大幅に減らすか、完全に排除することが、「肝臓を大切にする」ための優れた対策であることも忘れないでください。