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ナースさんのお仕事!特別養護老人ホーム編〜入居審査〜

 特養の入居待ちは永遠に解決しません。

 ゲーテです。
 「特別なんとかって老人ホームってどう違うのん?」「入居待ちが多いらしいな!」「良い老人ホームとは」などを思っている業界以外の方。「なんであんなに入居待ちしてるの?」「中で看護師は何やってるのん』と思っている業界人の方にも満足できる記事を作成しました!
 他では聞けないような情報が多いので参考になると思います!よろしくお願いします!

特別養護老人ホームとは

 要約すると、日常生活が困難な高齢者が24時間体制で介護を受ける施設(老人ホーム)です。
 
 以下の内容は事実を元にしたフィクションです。個人情報を保護しようとすると、嘘になる部分がある。大筋の流れは変わりませんが、事実を元にしたフィクションです。

 Y市にある特別養護老人ホームです。Y市とは横浜市ではない。湯河原市でもないし、架空の市町村です。

 どんな人が入居しているか。大体、こんな方が入所してました。

・Y市駅の周辺で路上生活をしていた男性。衰弱し、生活保護。住居がなく生活困難にて入居。

・認知症によりY市駅と周囲の観光地で立ちションベン(放尿)などを複数回行い警察沙汰になった男性。日常生活困難にて入居。

・Y市のスーパーやコンビニでお会計をせずに店を出て警察沙汰になった女性。お会計をしてないが、認知症により本人は代金を払っているつもりである。そのようなトラブルが多発し日常生活困難により入居。

・Y市でゴミ屋敷に住む女性。認知症などよりゴミ屋敷となる。近隣住民とのトラブルが多発し、生活困難により入居。

・Y市にて事業に失敗し、高額の借金で破産+生活保護の80歳女性。高齢で生活困難により入居。

・Y市に娘と2人で生活していた女性。娘の介護放棄により衰弱しているのを市の職員が発見。生活困難により入居。

・Y市にて一人暮らしの80歳女性。糖尿病が進行し、インスリン注射が必要だが認知症により自己注射できず。筋力低下もあり車イスが必要となり生活困難で入居。

 概ね、こんな感じです。僕がいたところは「Y市の〜」と「生活困難で〜」の文言が必ず入る。必要ない文言だが、無理に入れている。そんな忖度がある。
 Y市とズブズブ Y市の公的援助を受けた施設で、Y市の公的機関という側面が強い。Y市の市民で介護や住居が必要な方が入居している。隣の市町村の人はいません。Y市の支援・税金を受けている以上、Y市以外の人はそっとお断りすべきかと思います。
 そういった都合もあり「Y市の〜」「Y市で生活困難〜」を書く必要、いや、忖度が発生する。

 医療的に難しい人はお断りしている。医療枠という方針がある。
 すでに入居している方が重篤化し、介護の難易度が上がっています。すでに入居している方ですら対応が十分にできてないのに更に重症な方を入居させると手に負えなくなる。
 医療や介護の難易度が高い人の利用制限枠、医療枠がある。もちろん、アウト。公的機関なので重症者を優先すべきです。

 医療枠、重い人の利用制限をしているが、代わりに放尿などの問題行動のある方を入れている。これなら重症者が少なくてもY市にも文句を言われにくいし、公的機関としての仕事を果たしている。
 そんな特養でした。

特別養護老人ホームの入居待ち問題

 特別養護老人ホームには入居待ち問題が発生しています。幼稚園の待機児童のように入りたくてもなかなか入れません。その理由を説明します。
 Y市とは横浜市ではありません。しかし、良い公開情報があるのでここに置きます。令和5年4月に横浜市全体の入居待ちが約4800人いるそうです。
 幼稚園に入れない待機児童が問題なのだから、こちらの待機高齢者も問題になるべきです。

入居待ち理由①利用料金が安い、施設の数が足りない。

 特別擁護老人ホームでは入所待ちが発生します。待機児童というか待機高齢者というべきか。
 ちきりん氏だったか、違うかもしれないが「公立の幼稚園と特別養護老人ホームの待機児童・入居待ち問題は永遠に解決しない」と言っていた人がいました。
 僕の解釈も加えると、公立の幼稚園と特別養護老人ホームでは行政からの支援があり利用料金が安くなる。民間の幼稚園や有料老人ホーム(公的支援のない老人ホーム)より利用料金が安い。安くなるのだから全員安い方に行こうとして渋滞が起きる。
 極端な話、幼稚園に入る人全員が応募した場合、80万人✖️3学年の240万人を収容できるくらい大量に幼稚園を作らないと足りない。
 特別養護老人ホームも同じことが起きる。介護が必要な人全員を収容できるくらい大量に作らないと足りない。
 そんなことできないので渋滞は永遠に解決しない。
 と、いうような内容をちきりん氏?が言ってた事に僕が蛇足を加えました。

 横浜市では約4800人の入居待ちが起きてます。4800人収容する特養を建てるのは厳しい。50人収容できる施設✖️96箇所=4800人ですよ。その上、今後は介護が必要な高齢者は更に増える。4800人では済まないと思います。

 また、ソースが見つからなかったんですが、こんな話もありますね。
 「特養の入居待ちは併願もカウントされている。一人で5件応募する人が10人いたら、50人の入居待ちとカウントされる。しかし、実際には10人しかいない。重複してカウントされるので実際の入居待ち人数はもっと少ない」って聞いたことがあるんですが、ソースが見つからない。不明だとしか言えない。もしくは古いか。

入居待ち理由2  介護度制限の意味がない

 特別擁護老人ホームは介護度が3以上、特別な理由があれば介護度が2以上でないと入居できない。
 介護度とは、行政区分による介護の難易度の事です。数値が高いほど重症で介護の難易度が高い。ですが、僕は意味がないと思う。

 例えば、駅で立ちションベン(放尿)をして入居した男性、スーパーでお会計をしないで外に出て警察沙汰になった女性。問題行動はあるものの、二本足で歩行でき、自力で食事して、自力でお風呂に入り、寝ている。
 問題行動がなければ老人ホームに入る理由の少ない軽症である。

 しかし、公的な機関である特性、問題行動で何度も警察のお世話になる。認知症(脳障害)により問題行動を起こしてしまう不幸。これらを総合すれば介護度に関わりなく入居できるべき。少し無理して重症な事になっていた。実態に合わない介護度に意味があるのだろうか?大まかな目安にしかならなくなってしまう。
 そもそも介護の難易度、介護の必要性を数値で評価する事が間違ってる。

 駅が放尿した人が入居後、エレベーターに放尿したんですよ。エレベーターが壊れるかと思ったし、電気災害が怖いのでエレベーター会社に相談した事がありました。
 夜間に放尿して部屋中に尿臭が漂っているが、掃除してる暇がない。など数値にできない難しさがある。
 人間は1日として同じ体調の日はない。調子が良い日もあれば悪い日もある。調子が悪い日には重症なので入居判定に通るが、調子が良い日は軽傷なので入居判定に通らない。なども考えられる。
 数値で考える事に意味がないと思う。

 公的な機関なので重症者を優先すべき。介護度3以上(重症)の人しか利用できないのだが、介護度3以上の人が多すぎて制限できてない。横浜市では4758人の入居待ちで介護度3以上が4173人です。これは横浜市のみならず、全国的に傾向は同じです。

疑惑の判定で入所するコツ。

入居のコツ 相応の理由を誇張する。

 放尿とか、お会計せずに店から出る。これは警察沙汰になる必要はない。放尿した場所やお会計しなかった店の名前、証拠映像の有無などはチェックできない。
 正確に言うと業務上必要のない事を知ってはいけない。「問題行動があった」以上の事を知ってはいけないので大袈裟に誇張してもバレない。
 とは言え、今時分では放尿する人なんていくらでもいるが。

入居のコツ 人間が判定している。

 介護とは「人間に起きる不幸を減らす仕事」「人を助ける仕事」です。この仕事に向いている人は号泣されたり、心から懇願されたら魂が揺さぶられて判定が甘くなる
 「人を助ける」魂を持っている人が、魂の衝動を抑えられず疑惑の判定をしてしまう。これがツェペリの心だ。人間の魂だ。
 公的な機関で懇願や号泣で判定が甘くなるのは良くない。しかし、こういった魂を持っている職員が多い事業所は良い事業所だと思う。

 逆に判定が厳しくなるパターンもあると思う。態度が横柄だったり、担当者に嫌われるような行動をしてしまうと、人間の心理から判定が厳しくなる可能性があります。もちろん、心象により判定を厳しくするのもアウトですが、ついやってしまう可能性もある。

入居するコツ3 誰が入居しようと職員の給料は変わらない。

 僕は2重人格です。穏やかな心を持ちながらも、劣悪な職場環境により目覚めた極端な現実主義者だ。

 老人ホームで働く職員からすれば、入居するのが有名人だろうと路上生活者だろうが誰が入居しようがそこで働く職員の給料は変わらないから誰が入居しようとどうでも良い
 疑惑の判定に気付いても、自分にメリットもデメリットもない。だからどうでもいい。

 疑惑の判定が世間に露呈し、問題になったとしても上層部の責任だからどうでも良い。いざとなれば逃げ出す(退職)。ここを辞めたとしても他に働く場所はいくらでもある。

 公的な機関である特性もどうでもいい。「Y市に貢献する」「Y市ために〜」という発想や理念はあった方が良いが、なかったとしても大きな問題がない。
 誰が入ろうと、Y市の公的機関であろうと、そこで働く職員の給料に変わりはない。

 誰が入ろうとどうでも良いが、重症な場合には違って来る。
 重症で明らかに対応が難しい、重症で手間がかかるのに自分の給料は変わらない。それなら手間のかからない軽傷者の方が良い。と鼻の効く職員もいる。公的機関である特性上、重症者を優先すべきだが、そんな正義感を持ってない職員もいるかもしれない。

 誰が入居しても給料が変わらない。給料以外のメリットが必要。号泣されたり、心から懇願される。入居後、すごく感謝される。差し入れのお菓子が高級品など自分のお気に入りだから対応するが、気に入らないと対応しない。そんなヤベー職員も、稀にいる。劣悪な環境だったので慣れました。

 誰を介護しても給料は変わりません。ある意味で論理的で筋が通っている。

まとめ

 今回は特別養護老人ホームの概要、大まかな利用者、入居待ちが多発している事、公的機関である事 などを解説しました。
 僕が知っているところではこんな事がありましたが、他にも様々な特別養護老人ホームはある。これが全てではない。

 公的な幼稚園など、他の業界も参考にしました。他の業界にも通じる話になるように工夫してます。
 少しでもこの業界を分かって頂けると幸いです。

 次回は、看護業務についてお話ししたいと思います。
 ではまた!じゅわっち!

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