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#NEWGIVENCHY

先日ジバンシィのデザイナー交代のニュースで世間に賑わいを見せ、後任は現『1017 ALYX 9SM』(以下アリックス)のデザイナー。マシュー・M・ウィリアムズに委ねられた。
ジバンシィといえば、マックイーン、ガリアーノ、リカルドティッシ、クレアという名だたるデザイナーが前任していただけあって、ここでマシューのラグジュアリーモダンクラフト(マシューはラグジュアリーストリートという括りを拒んでいる)を彷彿とさせるALYXの雰囲気とどのようにミックスし新たなクリエーションが生まれるのかとても楽しみだ。
その前にマシュー(ALYX)とはどのような服づくりを行ってきたのか見ていきたい。

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※ファッションはどういうものか。どうすれば魅力的な恰好で思考で服を見れるのだろう。デザイナーの思考や服作りは常に高いところにあり、私たちはそれに魅力を感じ共感する。もしくは新たなクリエーションを行う。つまりその思考を少しでも理解しようとすることができれば私たちのなりたい自分。魅力的な自分、新たな自分に近づけることができるのではないか。という考えをもとにこのノートを毎週不定期で作成しています。(何かに従事するという意味ではなく新たな自分を創るという意味で)
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ALYXとは

2015年ウィメンズのみの立ち上げ。2年後メンズも加わりイタリアを拠点とする。
元々マシューはレディーガガやカニエウェストなどのアーティストと仕事をしており、ALYXの表現する音楽、アートの美学は独学で学んだ。
そこでマシューはラグジュアリーとサブカルチャーをミックスによる、モダンなエレガンスを提案。
初のメンズコレクションでは藤原ヒロシ(fragment design)とコラボしていて、お互いのスケートとパンクを愛する共通点から発展して実現したという。

有名なのがジェットコースターのバックルだと思う。これはディオールにも起用されており、他にもモンクレール、ナイキとのコラボも多く活動の幅が広い。

LVMH二人目のハイストリートデザイナー

今回ストリートファッションからラグジュアリーへ抜擢されるデザイナーとしてバージルアブローに続き二人目となるが、選抜理由として大きく二つ考えられる。一つはマシューの掲げている持続可能性。「この地球に衣服が多すぎる。私は存在するに値するものを作る」とインタビューでも述べており(2017年)これの翌年マッキントッシュとのコラボで一生着れる物もテーマに作成。これ以降にも自社ブランドの製品は品質にこだわりイタリアメイドで生産している。

二つ目はミニマルで透明感のある服であること。様々なラグジュアリーブランドの支援や他ブランドのコラボの期待に応えてきたマシューは異なる二つの共同体から新たなクリエイションを行う力が非常に長けている。彼が様々なサブカルチャーに触れてきたインスピレーションがとても関係している。

これにより現代のトレンドといってもよい、ミクスチャー文化にうまく当てはまったマシューは実績も大いに持ち合わせいたので歴史的ブランドジバンシィの後任になり得た。

ジバンシィとの関係性

マシューのジバンシィが今後さらに楽しみな要素は個人的に二つ。一つは生地。二つめはエレガンス。前者は、ジバンシィというブランドの起源でもあるのだが、元々生地選びがウリのジバンシィなのでマシューの求める持続可能性要素とかけ合わせれば、新しい生地の魅力が見えてくるかもしれない。生地の切り替えや、プリーツと柄、レザーを使用してきたこれまでのジバンシィは派手なパターン、カッティングというよりは、モダンでストリートなエレガンスといった印象。そこでマシューの使用するナイロンや、パイソン柄、シルバーアクセサリー(バックル)がどのようにマッチするのか気になる。

後者は先ほども書いたが、ジバンシィの生地には独特の滑らかさを感じ、ミニマルでストリートなエレガンスの印象を含んでいる。ALYXはエレガンスという要素よりはストリートのラグジュアリーという位置づけだと理解しているため、マシューの要素にエレガンスが加われば、DIORとはまた違った印象のラグジュアリーブランドが誕生するのではないかと思っている。


私的考察

今まで見ていたデザイナーは確立したスタイルを打ち出しクリエイションを行ってきたものが多かった。しかしマシューは現代のミクスチャー文化にフォーカスし様々な文化を取り込み、課題解決も含めクリエーションを行っている。ここまで様々な大きいブランドとコラボして成功しているブランドも多くないと思う。そんな柔軟性を持ったマシューウィリアムズにこれからさらに注目してしまう。






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