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【かってに島本新聞】水無瀬離宮の池跡発見?!※2020年10月1日の記事のWeb版文字起こし

※当記事は2020年10月1日発行の「かってに島本新聞 創刊号」を文字起こししたものです。

JR島本駅西地区の工事に伴う埋蔵文化財調査が2020年6月1日から行われ、鎌倉時代の池跡と考えられる遺構(尾山遺跡)が発見されました。後鳥羽上皇が造営した水無瀬離宮の施設の一部、もしくは後鳥羽上皇に近しい貴族が関与した施設の可能性が高いとのことです。

広範囲に広がっていた?!水無瀬離宮


2014年にはふれあいセンターの北側(現小野薬品の新研究棟)より、水無瀬離宮の庭園跡と考えられる遺構(西浦門前遺跡)が発見されました。 この庭園跡は滝組のある池があり複数の池を順に水が流れる構造となっていたようです。西浦門前遺跡からも裏付けされるように、かつて水無瀬神宮付近だけと考えられていた水無瀬離宮は、実は桜井も含め広範囲に広がっていたと考えられます。さらに御所が池(トッパン・フォームズの向かい)の辺りは「御所の内」という地名が現存していることから、その辺りにも離宮のひとつの核があったのでは、と考えられています。

尾山遺跡も下の池だったのでは?!


御所の内には、京都の公家の庭園にも見られる「州浜」の形状と考えられる地形が遺っています。この御所の内の州浜のある田んぼが「上の池」だとすると、西浦門前遺跡のように尾山遺跡の池跡が「下の池」となり、高いところから段々と水が流れる造りになっていたのかもしれません。想像がふくらみます。10月1日は十五夜ですが、御所の内からは石清水八幡宮が鎮座する男山がバッチリ望めることから、後鳥羽上皇もここに船を浮かべて800年前にお月見を楽しんだのかもしれませんね。

現地説明会に行こう!


10月3日(土) 尾山遺跡の現地説明会が開催されます。詳しくは町のホームページをご覧ください。
※2020年10月1日現在の情報です。現在はこちらに資料があります。

幻の水無瀬離宮を島本町の宝に!


現在行われているJR島本駅西地区まちづくり委員会でも、尾山遺跡が話題に挙がっています。幻の水無瀬離宮を島本町の宝に!遺跡が活かされる町になるとよいですね。

編集後記


「島本町は何もないやろ~」と言われる方がいらっしゃいますが、私はそうは思いません。今回の発見のように歴史遺産も数多くありますし、緑豊かで、水も美味しく、人も元気!そんな島本町が私は大好きです。しかし、それらが徐々に失われていくことに危機感を覚えてなりません。そして、それに拍車をかけているのは人の無関心さなのかもしれません。私はかつて千葉県の松戸市に住んでいました。松戸市には戸定邸という徳川昭武(将軍徳川慶喜の弟)の別邸があります。国の重要文化財です。将軍の弟の庭園が重要文化財なら、上皇の幻の離宮は世界遺産級ではないでしょうか。ご存じの通り、島本駅西地区では開発が進んでいます。誰も関心を示さなかったら、「遺構の一部」として保管だけされ、後は何事もなかったかのように工事が進められてしまうのです。

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