スマホで完結するボイス宅録(編集編)
データ納品について
1: 録音画面右下の「ミックス」をタップし、画面右側のWideをタップしてNarrowに変えます。
2: 画面右上の転送ボタンをタップし、画面下の高音質ボタン(HQのアイコン)をタップ、書き出し先(DropboxやGoogle Drive等)を選びます。
3: エンジニア、クライアントにアップ先のURLを送れば納品完了です。
4: これを1テイクごとに行います。不用意にタップすると波形が消えてしまうので、1テイクごとにプロジェクトファイルを作り変えた方が安全かもしれません。
OKテイクの抜き出しについて
通話録音からOKテイク部を抽出
DAWに録音された通話からOKテイクの部分を抽出してそれぞれ個別の波形として書き出します。
通話録音とSpire録音の同期
Final Cut Proで上記の通話録音のOKテイクと声優さんから届いたテイクの同期をとり、OKテイク以外の部分を削除して書き出します。書き出したらDAWに再度取り込んでネーミングなどを行って下さい。
1: 同期を取りたいクリップを選択
2: Clip > Synchronize ClipsまたはOption + Command + G
3: 同期クリップの名前を入力してOK
4: 作成された同期クリップをタイムラインに置いてダブルクリック
5: OKテイク部分以外をミュートしてCompressorでPCM書き出し
同様のことを以下のソフトで試したのですが上手くいきませんでした。
・Premiere Pro
・Vegas Pro
・Plural Eyes
・Syncaila
有識者へのノウハウ共有のお願い
恐らくこれがベストなワークフローではないので、より効率的で直感的に理解しやすいワークフローを実践されている方は情報を頂けると幸いです。(特にSpire録音からのOKテイクの抽出)
整音について
切り出されたOKテイクの整音を行います。通常のスタジオ録音と比較してノイズリダクションに一手間かかる可能性があります。必要に応じてフロアノイズやリバーブ、クリックなどを除去して下さい。
1: RX 7 Dialogue De-reverb、De-reverb
部屋鳴りが入るリスクが有るのがスタジオ録音と大きく異なる点の一つです。毛布を被って演技すれば恐らく気にする必要はありませんが、念の為多少の対処が可能な方法を挙げています。Dialogue De-reverbはダイアログに特化しているので、Sensitivityを調節しつつリバーブを除去出来ます。Ambience Preservationでフロアノイズがどの程度残るかを調節出来、0に近づければフロアノイズもろともリバーブを除去します。
De-reverbであれば波形のフロアノイズ(ルームトーン)の部分から声が入ってきてしばらく経つまでの数秒間を選択しLearnでボタンでリバーブプロファイルを作成します。
2: RX 7 Voice De-noise
これも肝になります。波形の発声していない部分からLearnでノイズプロファイルを作成してDialogueモードを選択します。リダクション量等はお好みで。
3: RX 7 Mouth De-click
リップノイズの類が気になる場合はこれで大体とれます。Sensitivityを調節するだけで多くの問題は解決出来るはずです。RX 7で日本語にも強くなりました。上手くとれない場合はFrequency skewをプラス側に動かすか、De-clickモジュールも試してみて下さい。
4: RX 7 De-crackle
Mouth De-clickの後に残ったクリックや口内、喉で起こる不快なノイズを除去します。Strengthで多くの問題は解決出来ますが、静かな箇所でノイズが起きている時はAmplitude skewを左に、うるさい箇所で起きていれば右に動かすと良いでしょう。
おまけ1: RX 7 De-plosive
もしポップガードが上手く機能しておらず吹かれが気になる場合は使用して下さい。
おまけ2: Ambience Match, Dialogue Match
もし宅録のボイスとスタジオ収録のボイスが混在して整音後も質感が揃わない場合、宅録のノイズフロアやリバーブを学習させてマッチさせる事ができます。言い換えると、スタジオ収録のボイスを宅録ボイスに合わせて「汚す」ことが出来ます。同録とADRの関係だと思ってもらえれば話は早いと思います。
おまけ3: De-clip
録音前のレベル調整が不十分でクリップしてしまっていてもDe-clipならある程度はレスキュー出来ます。
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