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リモートレコーディングツール比較

横山克さんに色々教わりながら、なるべく初期投資の少ない3つを比較してみました。

Source-Connect Now

https://now.source-elements.com/#!/

必要な準備(作家側)
・Source-Connect Nowのアカウントを作成、ログイン
・トークバック用のマイクをinput 1-2に接続しゲイン調整
・WEBカメやPC/Macに内蔵されているマイクでも可
・奏者から送られてくるURLにChromeでアクセス
・パスを入力し音声品質を選んで配信ページにログイン
・配信ページではPush to talkを有効にした状態で
 Shiftを押せばトークバック可能になる

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必要な準備(奏者側)
・DAW(なんでもOK)上で
 録音用のプロジェクトをセットアップする。
 (ステムやテンポマップ、マーカーを並べる)
・Source-Nexusプラグインをマスターに挿す(Mac)
・DAWの出力をオーディオインターフェースの入力に
 なんとかしてループバックさせる(Win/Mac)
 ループバック可能なオーディオインターフェースも存在するので
 楽器店にお問い合わせ下さい。
 (Steinberg UR-CシリーズやRMEなど)
・Source-Connect Nowのアカウントを作成しログイン
・音質、接続人数上限、パスワードを設定しCONNECT NOWで開始
・後はコミュニケーションをとりながら録るだけ

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メリット
・トークバックまで行える
・超遠距離でも低遅延
・世界中のレコーディングスタジオに導入されている安心感
・P2Pではなく中央サーバーを介するので回線が安定しやすい

デメリット
・両者がアカウントを作る必要がある
・Source Nexusは有料(125ドル)で、Win非対応
・セキュリティの厳しいネットワークではポート開放等の手間がある

LISTENTO

必要な準備(作家側)
・奏者から送られてくるURLにWEBブラウザでアクセス

必要な準備(奏者側)
・DAW(なんでもOK)上で
 録音用のプロジェクトをセットアップする。
 (ステムやテンポマップ、マーカーを並べる)
・LISTENTOのプラグイン(Receiverではない方)を
 DAWのマスターにインサート
・下画像の通り配信を開始し、Copy LinkでURLをコピーし
 作家にシェアする
・後はZOOM等でコミュニケーションをとりながら録るだけ。

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メリット
・設定が楽(作家側はURLを踏むだけでOK、奏者も配信をDAW内で完結)
・ポート設定も不要
・安価(1週間3.99ドルのサブスク)

デメリット
・トークバック出来ないので別途通信手段が要る
・P2Pなので受信側に大勢ぶら下がると回線が不安定になる

下記は回線が安定しない時のTipsです。

VST Connect Performer

必要な準備(作家側)
・Cubase/Nuendo
・トークバック用のマイク

必要な準備(奏者側)
・VST Connect Performer(Steinbergサイトで手に入る無料ソフト)
・作家から送られてくるサーバー名、最大10桁のパスワードを入力

メリット
・作家側のDAWに直接演奏を録音出来る
・奏者側がDAWを持っていなくても大丈夫(費用負担無し)
・トークバックも行える
・映像付き
・遠隔マルチトラックレコーディングが出来る唯一のソリューション
・恐らくコロナ対策でここ数ヶ月頻繁にアップデートされている

デメリット
・作家がCubaseかNuendoを使っていなければならない
・ちゃんと動くかまだ怪しい部分がある

Get HD Filesでファイルが空になるときの対策(フォーラムより抜粋)

Project Setup > Project Duration > Project Start Timeが0.0.0.0になっているか確認
Preferences > Record > Audio > Audio Pre-record Secondsが0になっているか確認

その他トラブルシュート(英語)

裏技: 何も使わない

リモートレコーディングに必ず作家が立ち会わなければならないわけではありません。作家から届いたステムに合わせて、奏者が自分の都合の良いタイミングで録音して作家に送り返すというやり方も当然OKです。(勿論、事前に作家が細かく要望を伝えておく必要はあります)

収録中にどうしても細かい指示を出す必要がある場合は立ち会いが必要ですが、そうでない場合は非同期のレコーディングがかえってスムーズかもしれません。奏者がヨーロッパやアメリカにいれば寝る前に素材を送れば朝録音データが届いていた、なんてことも可能なはずです。

奏者の皆さんも、宅録の環境(マイクやオーディオインターフェース)を整える過程で恐らく何かしらのDAWの無料版が入手出来ているはずです。1トラック録音するだけなら無料のDAW(ProTools First、Studio One Primeなど)でも対応可能なはずです。

裏技2: Zoomで全部やる

いつからリモートレコーディングに専用のツールが要ると勘違いしていた…? とでも言わんばかりの内容ですが、奏者がマシン内でDAWの音声をループバックさせることさえ出来れば、奏者が手元でDAWに録りながら映像と演奏とオケをZoomで作家/ディレクターに配信するというやり方が最も手軽かもしれません。ステレオ伝送の音質は少なくとも演奏の善し悪し程度であればジャッジ出来るレベルのようです。トークバックは当然Zoomで完結。

Mac内部で信号をループバックさせる話に関しては下記の記事をご覧ください。奏者がLoopbackソフトウェアを使う場合はOutput 3-4以降を使わない設定で行う必要があるそうです。


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