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世界水準の打ち込みオーケストラを自分で作るためのマイクポジションの選び方

はじめに

この記事では下記の内容をカバーします。

・オーケストラライブラリの各マイクポジションの役割
・ミキシングでどのようにまとめ上げていくか
・良いサンプルライブラリの選び方とは

ところどころ図が酷いですが気にしないで下さい。

何故マイクポジションが重要なのか

オーケストラの音というのは楽器から直接聴こえてくる音だけではなく、室内の響きまでが含まれます。スタジオ、ステージ、ホールまで含めて楽器という考え方です。オーケストラの広がりや臨場感はそういった響きの部分で作られるので、打ち込みやレコーディングであってもその響きを再現することは重要なのですが、マイキングで作られた空間はリバーブでは表現出来ません

大原則

膨大な数のマイクチャンネルが用意されている場合、それらのほとんどはあくまでオプションなので無理に使う必要は無いです。そして、沢山使えば使った分だけマシン負荷が上がる上に位相の問題も出てくる可能性があるので、必要なものを必要なだけ使うのがオススメです。

Close

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Spotとも呼ばれます。楽器の至近距離に立てられたマイクで、主に楽器の輪郭の調整に使います。Closeは最も録音環境の容積や壁の材質の影響が少ないマイクです。(マイクの位置は大体のイメージです)

よく日本国内のオーケストラ収録ではCloseがメインマイクとして使用されますが、海外産のライブラリを使うのであればよほど特殊なケースでない限りCloseをメインマイクとして使うことはオススメしません。例外も勿論あって、2Dドット絵のモバイルゲームで二頭身くらいのデフォルメキャラが出てくるコンテンツに室内楽規模の編成の曲をつける時等であればCloseマイクメインで組み立てても合うと思います。

アメリカやイギリスの作曲家やエンジニア相手に「日本ではCloseをメインに使ってDeccaはアンビエンスなんだよ」って言うと「HAHAHA嘘つくなよ」みたいなリアクションがもらえます。もらえました。

この先では

・Decca Treeやその他マイクがどこに立っているか/どう使うか
・ミックスの際にどのようにバスにまとめていくか
・リバーブはどうかけるか
・生収録とサンプルのミキシングの違い

について解説していきます。

Tree

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