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ViViXの最強のKemperリグパックを紹介する記事

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コンセプト

こちらのデモ曲ではリグパックの図太さ、存在感と周囲との調和具合を直感的にご理解頂けると思います。

これまでにも色んなリグパックをリリースしてきましたが、ポップスに使いやすいクリーン、クランチがカバー出来ていないことがずっと気になっていました。なので、今回はこれまでのリグパックと比較してクリーンからクランチ、オーバードライブまでのゲインレンジでしっかりと図太くてハイミッドが邪魔にならないリグパックにしようと考えていました。その意味で、Bogner HELIOS 100というアンプヘッドはうってつけだったように思います。

Bogner HELIOS 100について

Reinhold Bogner氏がハンドワイアードのアンプを作ったらどうなるか、その答えがこのアンプだと個人的に思っています。2015年に発売されていたのを知らなかったのですが、重心の低い無骨な歪みが出せる新しいアンプを探している時にニケさんにその存在を教えてもらって翌日試奏しに行ったらそのまま買ってました。

改造マーシャル系のサウンドというとハイミッドがピーキーでクセのあるサウンドを想像する方が多いと思います。実際EcstasyやFriedmanのBEはそういった音になっていると思いますが、僕にとってそのピーキーさはどちらかというと煩わしいものでした。このHELIOSはその問題点を見事に解決しており、まさに改造マーシャルの理想系とも言えるような、ブラウンサウンドを進化させたような音になっています。

80年代風のオーバードライブサウンドに限らず、Plexインプットや70スイッチを使えばオールドマーシャル的な極めて無骨で図太いクリーン、クランチをたやすく出すことが出来ます。あまりに良い音が出るので独り占めしたくてずっとリグパック化を見送ってきたアンプだったりもします。

もう一つこのアンプのリグパック化を難しくしていたのがそのコントロールの豊富さ、音作りの幅の広さです。HotとPlexという2つのインプット以外に70年代、80年代風を切り替えるスイッチ、EQのバイパススイッチ、チャンネル切り替えに加えBottomノブやPushノブなど、作れる音の幅が広すぎてリグパックに何を収めるかを考えるのに思ったより時間がかかってしまいました。こうしてリグパックをリリースした今でもこのアンプの魅力の半分くらいしか形に出来ていない気がしています。このリグパックでHELIOSが好きになった方はぜひHELIOSを買って下さい!

キャビ/マイクについて

今回は収録に外のスタジオを使いづらい状況ということもあり自宅スタジオにあるCustom Audio Electronicsの2発キャビネットを使っています。Vol.3でも使ったキャビなので、5150IIIのリグと比較すればHELIOSの厚みが分かりやすいと思います。ゆくゆくはBognerの212CBでもリグを追加収録してアップデートしたいと考えていますが、いつ出来るかは明言出来ません。

マイクについては、これまでも色々なマイクを使って来ましたが今回は実際に僕が使うリグとユーザーの皆さんが求めるものという基準で3本に絞ってみました。クリーンクランチはR-121以外必要性を感じなかったのでM81やSM57は立てていませんが、ゲインの高いリグではより強調されたアグレッシブな音で弾いてもらうためにダイナミックマイクでの収録も行っています。

SM57とR-121は様々なシミュレーターやIRライブラリで見かけるマイクなので多くのギタリストがなんとなくその個性を肌感覚として持っていると思いますが、TELEFUNKEN M81についてはよく知らない人もいると思うので補足すると、ダイナミックマイクらしいガッツはありつつもSM57のようないびつなハイミッドが無く、SM57と比べて実体感のあるロー〜ローミッドが録れるマイクです。ちょっと語弊があるかもしれませんがSM57で録った時に「もっとこういう音で録れたらな」と感じる音がそのまま録れるイメージです。Shure KSM8も考えたのですが、あっちはM81と比べるとミッド〜ローミッドが若干膨らんでしまって芯がはっきりしないので今回は見送りました。R-10も素晴らしいマイクなのですが、R-121を持っているのにわざわざ使うものでも無いかと思い今回はカットしました。

プロファイリング後の音作りについて

レコーディングメインで使用している僕にとってエフェクトはそこまで重要ではない部分なのですが、リグパックをリリースする度に「もっと作り込んだリグを!」という声を頂くことがあるのでどうやって音作りしているかを簡単に紹介しておきたいと思います。

全体的に共通しているのは、ミキシングの際に恐らくかけるであろうEQを予めかけているということです。どのリグも似たようなポイントにEQが入っているかと思いますが、実際に色々弾きながらミックスで邪魔になりそうなポイントをアンプの後のEQでカットしています。

リバーブについては全体的にナチュラルなリバーブをうっすら入れる程度に留めています。Djentやメタルコアのようなエフェクティブで濃密なロングリバーブは別途作ってもらえればと思います。リバーブはディケイタイムも大事ですがプリディレイやウェット音のフィルタリングもかなり重要です。

ディレイについてもリバーブ同様ローパスフィルターがかなり大事です。ドライ音だけではなくディレイフィードバックにもリバーブがかかる設定にしていたような気がしますが、レコーディングで使う時はディレイやリバーブは切ってもらった方が良いと思います。

今回からリードギター用にポストエフェクトでコーラスも入れてみました。といってもコーラスの揺れをしっかり聞かせるためではなく、滲ませてステレオ幅を広げるのが狙いです。

リズムギター用の歪んだリグはアンプの前段にゲートを入れています。ローが邪魔になったらゲートの後ろにGreenScreamあたりを歪み0で足してもらうのも良いと思います。

Kemperのリグ(≒マイクレコーディング)は録り終わった時点で音の良し悪しがほぼ確定するので、STACKのセクションがしっくりこない時はあとから弄り回して音が良くしようと努力するよりは別のリグを録ったり試したりする方がスピーディに正解にたどり着けると思います。

ViViX全体に共通するキャラクター

アンプ直の音をマイク録りを経験したことのある方であれば理解して頂けると思うのですが、実際にマイクを立ててレコーディングしたギターのトーンは大なり小なり暴れた音になり、それが所謂生っぽさに繋がっています。

これはインパルスレスポンス(IR)が最も苦手とする部分であり、ViViXはいずれのリグパックでもこの生々しいフィールを捉えることに重きを置いています。また、アンプ自体の持つダイナミクスを最大限活かすために過度なハイゲインのプロファイルは収録していません。ですので、扱う人によっては制御が難しいと感じることがあるかもしれませんが、録った時に結果的に良い音になる(=リスナーに届く音が良くなる)のを感じて頂けるはずです。

IRがなぜ生々しさを表現するのが苦手なのかについてはUniversal OXの商品説明をご覧頂くのが分かりやすいと思います。

追記: Vol.4.5アップデートについて

Vol.4.5のアップデートではよりハイゲインなHELIOS Eclipseヘッドと、ローミッドにどっしりとした存在感のあるBogner 212CBキャビネット(いずれもG.O.D.の清水君が所有)を組み合わせたリグを追加しました。更にHELIOS 100についてもBogner 212CBで追加収録を行っています。HELIOS 100の音作りは僕が、Eclipseの音作りは清水君が担当しました。

これにより

・よりハイゲインなサウンドを収録
・よりミッドにフォーカスされた音を収録
・整って使いやすくなったクリーン、クランチも収録

といったメリットが増えました。HELIOS EclipseについてはAston Originマイク(こちらも清水君が現場で使用しているもの)でも収録しているので、トップエンドまでジワッと出た音を楽しむことが出来ます。HELIOS 100がクラシックな音だったとすればEclipseではよりモダンな整った音を楽しめると思います。なんにせよ、Plexi〜改造Marshall系のリグはほぼ網羅することが出来、対応ジャンルもハードロック、メタルまで拡張出来たと思います。

そんなわけで、新しいKemper Profiling Day in Tokyo Rig Pack Vol.4.5をお楽しみ下さい!

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