人を欺く才能があると自負している。それが恐らく他人から見れば「中二病」と呼ばれるということも理解している。ただ純粋に、怖い。恐らく私は吐いた嘘をそのまま墓場まで持っていく、ことはおろか、自分でさえも欺いて虚偽の上に住処を作ってしまう。 救われるのを待っている。そんなのは漫画や映画、小説や演劇、ありとあらゆるフィクションで何番にも煎じられているいうのに待たずにはいられない。「待っている」ことすら擦られ続けて味も色も失っているというのに、それでもなお。 誰かを待っている。誰