リングカット

 指輪が外れなくなり、消防署に駆け込んでカットしてもらったという話。それだけ。

 左の薬指に結婚指輪とは違う、デザイナーにデザインしてもらった指輪をかれこれ25年くらいはめていた。が、大腸カメラの日が近づいていることもあり、診察台で取れなかったら困ると思い、事前に外して行こうと思ったのが不幸中の幸いとなった。(電気メスを使う可能性があるため)

 外れなくなった原因は、指の関節が太くなったから。パン屋を始めてからだと思うが、指や腕をよく使うようになったため、多少、太くなったというものじゃないだろうか。あとほんの少しというところでどうしても外れない。

 指輪を取る方法はいくつかある。油や石鹸で取れなかったら、タコ糸の端を指輪と指の間に通し、その糸を第二関節が過ぎる辺りまで巻きつけ、リングの間に通した糸を少しずつ回しながら糸でリングを抜く方向へ導いて外す方法が二番目だろうか。これ、ダメだった。関節でつっかえているのは歴然なので、カットするしかないと諦めた。

 宝飾店に行けば良いのか?夫の知人に、宝石店を経営している人がいるのを思い出したが、その前にネットで調べてみた結果、消防署がその取扱をしている事を知った。

 早速、電話してみると、火事などで忙しい時もあるため、来る直前に電話をほしいと言われ、昨日、行ってカットしてもらった。一昨日、ちょうど朝方の火事に遭遇したのを思い出したのは、消防署の駐車スペースで防護服などを水洗いしている姿を見てからだった。なんか、指輪の取り外しまで消防署の役割だったのかと、安心した反面、火事後の片付けで忙しそうにしているのにちょっと申し訳ないというか、恥ずかしい思いがした。

 恥ずかしくない思いもした。

 最初に、誓約書を書く決まりがある。指輪の破損や指への損傷に文句をいいませんて内容のだけど、空欄の「」の中に、誓約の対象を書くことになっていて、「そこに指輪って書いてください。」と言われて書こうとしたら、指という漢字が出てこない。ええええ。

 「あの、ゆびって漢字でどう書くんでしたっけ?」と、即座に係の人に聞いて、「手偏に」と言われてすぐに思い出したという。以前なら、こんな字が書けないのは恥ずかしいことだった。今は、悪びれもせず、人に何でも尋ねちゃうようになった。まあ、ひらがなで書けば良いなどとも思いつかず、相手は笑っていた。

 あの、ネットで文章を書くようになったからか、漢字を忘れてしまうようになったのは弊害だわな、これ。

 ついでに、英単語なども、ネットで勉強できるけど、書かないと入っていかない。やっぱり、書くことは大事なことだわ。

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