2月3日サンデーモーニング感想

風をよむ「ウイルス・細菌と人類」

番組では中国の店員とそのお客さんのやり取りを紹介。

中国の店員「マスクを着けてないなら入っちゃいけない」
女性「政府の規制は正しいの?」
店員「つばを飛ばさないで!これは公衆衛生のためよ」

ニューヨークでマスクをしたアジア人女性が
嫌がられるシーンを公開。

新型コロナウイルスを巡る騒ぎは、世界中に広がている。

一方、中国人観光客の姿が消えたフランスの免税店に
勤める店員は「中国人が一番買ってくれるので困っている。
騒動が早く終わらないと店が生き残れない」

世界に混乱を招いている感染症。

感染症とは細菌やウイルスなどが体内で増殖しておこる病気。
日本では、疫病とも呼ばれた。

人類は、その長い歩みの中で、
ウイルスや細菌などとどのように向き合い、暮らしてきたのか?

番組は生物誕生以来の生命の姿を研究する、
科学者の中村桂子さんへインタビュー。

中村桂子さん「自然の中にはバクテリア(細菌)がいたり、
ウイルスがいたり、いろんなものがいるわけで、
人類がこの地球上に登場した時には、もうそういうものはいた。
ある意味では時々戦ったり、ずっと長い間、一緒に生きてきた」

古くはローマ帝国。
その時代に猛威を振るった天然痘やマラリアが、
帝国の滅亡を早めた、とも言われている。

14世紀には、ペストがヨーロッパで大流行。
皮膚が黒くなって死に至るため
「黒死病(こくしびょう)」と呼ばれ、
当時の世界全人口の4分の1にあたる人が死亡したと言われている。

このペスト大流行の背景には、人間社会の大きな変化があった。

中村桂子さん「狩猟・採集社会の時は、
バラバラだから気にしなくてよかったんだけど、
農業を始めて、割合、密に暮らすようになって、
さらに都市を作って、もっと、密に暮らすようになった。
そうするとあちら側(ウイルスなど)から見ると感染しやすい」

人や物の交流が活発化し、都市ができたことが感染症の流行を招いた。

ペスト流行をきっかけに、<公衆衛生>の大切さに目覚めた人々は、
パリやロンドンなど大都市で、大規模な下水道などを造成した。

さらに19世紀、世界を襲ったのが、コレラ。
1817年、インドで始まったコレラの流行は、
ヨーロッパ、さらに、江戸時代の日本にまで到達。

死亡率の高さから、江戸っ子は「ころり」と呼んで、恐れていた。
この流行の背景となったのが、18世紀、イギリスで始まった産業革命。

この歴史的大変化は世界各国に波及。
その波に乗ってコレラも、世界に広がった。
そして20世紀。世界は、史上最悪の感染症に襲われた。

第一次大戦さなかの1918年、
アメリカで強い伝染力を持つ感染症が発生。
のちに、“スペイン風邪”と呼ばれるインフルエンザである。
  
アメリカから、ヨーロッパ、さらにアフリカへと地球規模で拡大、
一説には死者1億人ともいわれる、最悪のインフルエンザ。

この爆発的な流行を、もたらした背景には何があったのか?             

第一次大戦を伝えるアメリカのニュースは
「アメリカは海外に200万人を超える兵士を派遣した」と伝えた。
第一次大戦下、ヨーロッパに出征した多数のアメリカ兵。
その中に含まれる感染者により、ウイルスは国外へと運ばれた。

しかし感染症による戦力低下を、
敵国に悟られたくない国々は、インフルエンザに関わる情報を隠蔽。

戦火の中、感染は拡大した。
感染症は、国家の<安全保障>を左右する要素を背負った。
  
この間、中立を保ったスペインが、
感染症の情報を発信したことから、
スペイン風邪と呼ばれるようになった。

そして、ここ数十年の感染症の歩みを振り返れば
SARS、エボラ出血熱など、新たな感染症が出現。

共通するのは、SARSはコウモリ、エボラ出血熱はコウモリやチンパンジーなど、
野生動物と人間との接触が発生の原因と考えられる。

さらに今、感染を広げつつある新型コロナウイルスでも、
コウモリから野生動物を介して、広がった可能性が指摘されている。

つぎつぎに現れる、感染症を引き起こすウイルスや細菌。
それは、なにを問いかけているのか。

中村桂子さん「私たち(人間)はすぐに役に立つか?とか、
必要か?っていうけど、自然界にいる以上、全てのものが、
いることに意味があるので、別に必要だから、
いるわけでも何でもない。私、いるから、いますよってわけで、
病原体として出てきた時には、なるべく減らさなくてはいけないし、
そういう意味では戦わなきゃいけないが、ゼロにしちゃう、何もなくなる、
それが良いわけではない。そういうもの(ウイルスなど)がいる世界で、
(人間も)生きているんだよなぁ、
という感覚は持ち続けないと生きているということにはならない」

何かにつけ、自分たちに都合よく考えようとする、
人間への問いかけか?

→人間VSウイルスの戦いは永遠に続く。
今回、日本で流行するコロナウイルスについては
現在のところ特効薬などがないことから、
恐怖として捉えられている。

いずれ、特効薬ができるだろうとなんとなく推測しているが、
また、何年か後には新しく流行するウイルスが出てくるんだろうなと。

これの繰り返しで人間とウイルスのバランスは保たれているのかなと。

歴史は繰り返すという言葉がここでもあっているかなと存じますが、
ウイルスと人類の歴史もお互いに戦いながら、
お互いが成長していっているのかなと
歴史が教えてくれているようにも感じます。

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