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【書評】水と塩と空気だけの完全断食40日間全記録"男はモーセ、釈迦、ジーザスに会えたのか"

『水と塩と空気だけの完全断食40日間全記録』は、筆者の日高見旅人が2015年10月1日から11月9日までの40日間にわたり、水と塩と空気だけで完全断食を実践した記録です。筆者は断食中の体重や体脂肪率などの体組成スペック、心理状態の変化を毎日ホームページで報告し、その詳細なデータと感想をまとめています。

本書は、断食の動機としてクローン羊ドリーの誕生に影響を受けたことから始まり、断食の準備や開始初期の経験、中盤の心身の変化、終盤と断食後の回復プロセスなどを詳細に描いています。断食を通じて得られた身体的なデトックス効果や精神的な内面の成長、食事の重要性の再発見などが記録されており、断食の実践とその効果について深く掘り下げた内容となっています。




【断食の旅路の始まり】

断食の背景と目的

・筆者が断食を始めた理由や動機
筆者である日高見旅人は、1996年にスコットランドのロスリン研究所で誕生したクローン羊ドリーの誕生に大きな衝撃を受けました。この出来事は、断食という道を選ぶきっかけとなりました。DNAには全身の設計図が記録されているとされており、その設計図をもとに羊の乳腺細胞から全身の細胞を生み出すことが可能であることが示されたのです。
しかし、この研究では、様々な栄養を与えても乳腺の細胞からは乳腺しかできず、諦めて放置していたところ、何の栄養も与えない状態で偶然全身の設計図が取り出せたことが明らかになりました。この発見により、筆者は栄養を与えないことが細胞の未知の活性化を引き起こす可能性があると考え、断食に取り組むことを決意しました。

・クローン羊ドリーの誕生が与えた影響
クローン羊ドリーの誕生は、断食の理論に対する筆者の信念を強固にしました。現代社会では「食べる」「栄養を摂る」「病気になったら薬を飲む」といったプラスのアプローチが一般的ですが、ドリーの例は逆にマイナスのアプローチ、すなわち栄養を与えないことで細胞の自然治癒能力を引き出すという考え方を支持するものでした。この考え方に基づき、筆者は断食によって身体の活性化と自然治癒能力の向上を目指しました。

断食前の準備と心構え

・断食を始める前の準備や計画
断食を始めるにあたり、筆者は綿密な計画と準備を行いました。まず、断食期間中に必要となる水や塩、必要最低限の栄養素を確保し、断食中の体調管理に役立つアイテムを揃えました。また、断食中に記録を取るための方法やツールも準備し、毎日の体組成スペックや心理状態をホームページで更新する計画を立てました。

・心理的、身体的な準備の重要性
断食は身体だけでなく、精神的にも大きな負担を伴います。そのため、筆者は心理的な準備も重要視しました。瞑想や呼吸法を取り入れ、心を落ち着けるための練習を行いました。また、断食に対する不安や恐れを克服するために、自身の決意を再確認し、断食がもたらす可能性を信じることにしました。身体的な準備としては、断食に向けて徐々に食事量を減らし、体を慣らしていくプロセスを踏みました。

断食開始と最初の数日

・断食の最初の数日に経験したこと
断食を開始した最初の数日は、筆者にとって非常に挑戦的な期間でした。最初の数日は特に強い空腹感に悩まされ、身体が食べ物を欲する強い衝動と戦いました。また、エネルギーの不足からくる疲労感や、時折現れる軽い頭痛もありました。しかし、これらの症状は次第に収まり、身体が断食に適応し始めるのを感じました。

・身体と心の初期反応
断食の初期段階では、身体と心の反応が顕著に現れました。身体的には、体重の減少や体脂肪率の変化が見られ、体内のデトックスが進んでいることを実感しました。心の面では、初期の不安感やストレスが次第に薄れ、瞑想や呼吸法の効果が現れてきました。断食によって精神がクリアになり、内面的な静けさと集中力が増していくのを感じました。


【断食の中盤 - 心身の変化】

体組成スペックの変動

・断食中の体重や体脂肪率の変化
断食が進むにつれて、筆者の日高見旅人の体組成に顕著な変化が現れました。体重は日々減少し、特に最初の2週間で急激な体重減少が見られました。断食開始時点での体重と比較すると、15日目には約10%の体重減少が記録されました。体脂肪率も同様に減少し、断食開始時点での25%から、15日目には18%まで減少しました。

・その他の身体的な変化やデータの報告
断食中、体重と体脂肪率以外にも様々な身体的変化が記録されました。筆者は毎日、血圧や心拍数を測定し、その変動を詳細に記録しました。断食開始直後は血圧がやや高めに推移しましたが、断食中盤に入ると安定し、正常範囲内に収まりました。また、心拍数も徐々に低下し、リラックスした状態が続くようになりました。これらのデータから、断食が身体の恒常性に与える影響を実感することができました。

心理状態の記録

・断食中の心理的な変化や気持ちの揺れ動き
断食中盤に差し掛かると、心理的な変化も大きく現れました。最初の2週間は空腹感との戦いが続き、精神的な揺れ動きも大きかったですが、中盤に入ると空腹感が次第に和らぎ、心が静かに落ち着いていくのを感じました。瞑想や呼吸法の効果が高まり、内面的な静けさが増していきました。

・日々の気づきや内面の成長
断食中の毎日は新たな気づきの連続でした。食べ物に対する欲求が薄れていくと、他の感覚が鋭敏になり、周囲の自然や日常の小さな出来事に対する感受性が高まりました。筆者は、自身の内面を深く見つめ直す時間を持ち、自己認識や自己成長を実感しました。日々の記録を通じて、自分自身の変化を客観的に観察し、断食がもたらす心理的な効果を実感することができました。

挑戦と克服

・断食中に直面した困難や挑戦
断食の中盤においても、様々な困難や挑戦がありました。特に、エネルギーの低下による疲労感や、一時的な低血糖状態によるめまいや頭痛などがありました。また、心理的な不安や孤独感が再び襲ってくることもありました。これらの挑戦は、断食の持続を困難にする要因となり得ました。

・それらをどのように克服したか
これらの困難を克服するために、筆者は以下のような対策を取りました。まず、疲労感や低血糖状態に対しては、無理をせずに十分な休息を取ることを心掛けました。また、瞑想や呼吸法をさらに深めることで、心理的な安定を図りました。孤独感に対しては、オンラインでの断食仲間との交流やサポートを受けることで、気持ちを共有し、励まし合いました。これらの対策を通じて、困難を乗り越え、断食を続けることができました。


【断食の終わりとその後】

断食の終盤と終了

・断食の最後の数日間の経験
断食の終盤に差し掛かると、筆者である日高見旅人の心身の状態はさらに変化しました。最初の数週間とは異なり、空腹感がほとんど感じられなくなり、逆に内なる静けさとエネルギーの流れを強く感じるようになりました。断食の最後の数日間は、身体が完全に順応し、心も穏やかで澄み渡っている感覚がありました。この期間は、筆者にとって非常にスピリチュアルで内省的な時間となりました。

・断食を終える時の心境と身体の状態
断食終了の時が近づくにつれ、筆者は一種の達成感とともに、新たな挑戦を終える安堵感を感じました。身体的には、体重が大幅に減少し、体脂肪率も顕著に低下していましたが、エネルギーレベルは安定しており、体調も非常に良好でした。心境としては、断食を通じて得た内面の静けさと洞察が大きな自信と満足感をもたらしました。

断食後の回復と再発見

・断食後のリカバリープロセスと再食の方法
断食終了後の回復は慎重に行われました。筆者は、断食後のリカバリープロセスを慎重に計画し、まずは少量の水やスープから再食を始めました。胃腸に負担をかけないよう、徐々に固形物を増やしていきました。再食の過程では、食べ物の味や香りに対する感覚が非常に鋭敏になり、一口一口が非常に貴重なものに感じられました。このプロセスを通じて、食べることの本質的な喜びを再発見しました。

・断食後に得られた新たな洞察や教訓
断食後の回復期間中、筆者は多くの新たな洞察や教訓を得ました。まず、食事の重要性やその本質的な価値を再認識しました。普段何気なく摂取していた食事が、どれほど身体と心に影響を与えるかを深く理解しました。また、断食を通じて得た内面的な静けさや集中力は、日常生活においても大いに役立ちました。この経験を通じて、筆者は食事や生活習慣を見直し、より健康的でバランスの取れた生活を送ることを目指しました。

断食の影響と今後の展望

・断食がもたらした長期的な影響
断食は筆者の身体と心に長期的な影響を与えました。身体的には、体重や体脂肪率の低下により、健康状態が大幅に改善しました。また、断食を通じて得た内面的な静けさや集中力は、日常生活や仕事においても大いに役立ちました。この経験を通じて、筆者はよりバランスの取れた健康的な生活を送ることができるようになりました。

・今後の断食に対する考え方や計画
断食を通じて得た教訓や経験は、筆者の今後の生活や健康管理に大きな影響を与えました。筆者は、定期的な断食を取り入れることで、身体と心のバランスを維持し、健康を保つことを目指しています。また、断食の経験を他の人々とも共有し、その有益性を広めることを考えています。今後も断食を続けることで、さらに深い洞察や新たな発見を得ることを期待しています。

断食の旅路は、筆者にとって非常に貴重な経験となり、身体と心の健康に大きな変化をもたらしました。この経験を通じて得た洞察や教訓は、今後の生活においても大いに役立ち、筆者の健康と幸福に寄与することでしょう。



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