断食で禁煙に成功した話
6年前まで、私は1日に60本(2箱)もタバコを吸っていました。さらに喫煙歴が20年という、生粋のヘビースモーカーで、禁煙なんて絶対無理だろうと、ほとんど諦めていました。
しかし、年々タバコの値段が上がり、家計をかなりの割合で圧迫しはじめ、やっぱりなんとしても禁煙したいと、ニコチンパッチやガムなど、いろいろ試したのですが、どれも上手くいきませんでした。
そんなある日、芸能人のタモリさんが、1日1食や断食など、少食や減食による健康法を実践されているというネット記事をみつけて、自分も是非やってみようと思いました。
そしてまず、朝食と昼食を抜き、夕食1食だけにしました。その間も、食事を3回していた時と同じペースで、1日60本ちかくタバコを吸っていたのですが、空腹時に吸うタバコはとても不味く、1日1食の日を重ねるうちに、自然とタバコの本数が減っていきました。
やがて私は閃きました。「空腹時に吸うタバコはとても不味い」という生理現象を利用すれば、無理せず禁煙できるかもしれない……と。
しかし、食事を我慢しているうえに、タバコも我慢するとなれば、精神的にもストレスがかかり、そもそもの目的である1日1食も挫折してしまい兼ねません。だからタバコはとりあえず、これまでどおり自由に吸っていい事にしました。
そのかわり、1日の唯一の食事である夕食も、お腹いっぱいになるまでは食べず、腹8分目、いや、腹6分目くらいで止め、「タバコが美味しいと思えない状態」をつくることを意識しました。
空腹を利用して、「タバコをはじめて吸う感覚(体)」に戻す。
空腹時の体は、栄養素を強く求めているため、感覚が敏感になります。その状態でタバコを吸うと、タバコの味やニコチンの刺激が普段より強く感じられます。いわば、タバコをはじめて吸う感覚(体)に戻るのです。
どんなにヘビースモーカーの人でも、生まれてはじめて吸ったタバコは美味しくありません。お酒もそうです。習慣化することで、体がそれに依存します。つまり、習慣化する前に、やめてしまえば良いのです。そして、その習慣化する前の状態は、「空腹」で簡単につくることができるのです。
空腹時にタバコを吸った私は、そのとおり、はじめてタバコを吸ったときのように、タバコの味の苦さや臭みを強く感じました。しかし、こんなものを毎日スパスパ美味そうに吸っている人たちの気が知れないと思いつつ、タバコを吸うのが一人前の大人であるような当時の風潮に無理やり合わせることはもうありませんでした。
そう、タバコの味の苦さや臭みを強く不快に思うまま……こんなものを毎日スパスパ美味そうに吸っている人たちの気が知れないと素直に思うまま……私は禁煙に成功したのです。
といっても、一週間くらいは依存症の苦しみに耐えなければなりませんでしたが……(笑)
しかし、「空腹を利用して、タバコにまだ慣れていない体を疑似的につくる(空腹を利用して体を初期化する)」という方法は、禁煙だけでなく、禁酒などにおいても、人によっては有効な手段となるかもしれませんので、禁煙や禁酒に挑戦しようという方は是非お試しください。
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