見出し画像

最初は直観、でも試してみる価値あるかもよ

先日3月14日、遅ればせながら2020年の新年会を主催しました。
本来であれば同日、新潟では大規模な日本酒イベントが実施される予定でしたが、世間の自粛により中止となっていました。
そんなことはどこ吹く風と、我が家に酒飲みの友人を呼んでおおいに酒盛りをしましたが、コロナビールのバプテスマが効いたのか、翌日の二日酔いは比較的軽症でよかったです。

お酒のご紹介です。

山本(やまもと)

画像1

創業は明治34年、秋田県山本郡八峰町にあります山本合名会社の商品。
白瀑(しらたき)という銘柄で有名な酒蔵で、私も初めて飲んだのは白瀑。こちらの山本という商品は比較的新しく、ここ10年くらい?でよく見かけるようになりました(逆に白瀑のロゴを見かけなくなりました)。
山本とは、代表である山本友文氏が醸造責任者としてすべての工程に携わったという意味の銘柄名。

今回のお酒はそんな山本のミッドナイトブルー
昨年11月に出荷された、2019年度の新酒です。

飲んでみます。

上立ち香はうっすらオレンジと桃を混ぜたような香り。
口に含むと、舌先にガス感。少し遅れてほんのり甘みが乗っかってきます。
中間はピリピリしたガスと渋、甘みと酸味が丘のように盛り上がります。喉手前には渋み。白桃のような含み香が鼻を抜けていきます。
後口は少しの渋を残してパッといなくなります。夢から目が覚めるような余韻。

裏ラベルを記載しておきます。

画像2

~上立つリッチな香りと、穏やかな味わいが特徴の純米吟醸~

原材料名:米(秋田県産)、米麹(秋田県産米)
精米歩合:麹米50%、掛米55%
アルコール分:16度
製造年月:2019.11

価格は3,164円(税抜)。
購入は福岡県行橋市にありますうらの酒店。

・・・

私が、日本酒を飲まない人にお勧めの日本酒を選ぶとき、3つの条件があります。

1つめは、美味しいこと。
当たり前なのですが美味しくなければダメです。
ですが、自分一人が美味しいと思ってもそれだけでは不足なのです。嗜好の違う数人からも同じように評価されるお酒がベスト。

2つめは、4合瓶サイズがあること。
私は自宅で飲んでほしいんですよね。だから基本的に 1.8L のサイズしか商品がないお酒というのは勧めない。普通、1升瓶は家で冷蔵できないので。

3つめは、ちょっとした希少性があること。
ちょっとした、というのがミソです。
これは例えば季節商品である、なんてのがちょうどいいわけです。年に1回、もしくは数回だけ出荷されて、時機を逃すとしばらく飲めない、というくらいの希少性がちょうどいい。
あとは、取扱店が限られているとか。都内で扱っている酒屋さんは2軒だけ、とか。
要するに、少し遠出すれば飲める。少し頑張れば手に入る。

希少性が嫌らしさを伴っていないことも大切。政治的・人為的に作られた希少性ではダメ。タレントの宣伝や、買占め・転売による希少価値は嫌らしさを伴うので不可です。

私が日本酒を買うようになったきっかけは十四代との出会いですが、日本酒に浸かるようになったきっかけはくどき上手ですし、日本酒の沼に嵌るようになったきっかけは而今だと思います。
くどき上手は当時、純米吟醸の酒未来という規格のものが特に好きで、春先の年1回のみしか出荷されず希少でした。
而今は今でこそ完全なレア酒で入手困難ですが、私が買っていた約10年前は季節商品であり都内の取扱店が非常に限定されていた、ちょっとした希少酒だった。
そういう希少性を持ったお酒によって口福を知ってもらうことが、日本酒を広めるのに有効だと思うのです。

・・・

昨年2019年の年末、とある忘年会で山本ミッドナイトブルーをいただきました。とても美味しかった。そして私だけではなく、忘年会に同席していた複数の方も「美味しい!」と絶賛していた。
普段から日本酒を飲んでいるような方々ではないのにぐびぐび飲んでいるのを見て、これはきっと多くの人に訴求する力を持ったお酒だと感じたのです。
そこでもっといろいろな人に飲んでもらいたい!と考え、購入できるところを探し回ったのですが、2019年11月出荷で1か月ほど経過していたのもあり、思いつく取扱店の在庫は全滅。
それでもしつこく探し回って、前述のうらの酒店さんのWEBショップでなんとか入手できました。

購入から約3か月経過。
冒頭にも書いた新年会を開催し、今回の山本を抜栓して飲んでもらいました。
残念ながら給仕に忙しく、私も飲めずで、感想も聞けなかったのですが、今回改めて自分で利いてみました。
生原酒なので忘年会の時より熟成が進み、違う味わいになっていますが、芯は崩れず、生老ね香も無く、保管に気を付ければ比較的コンディションを維持できると感じました。

今年もおそらく11月ごろ2020BYのミッドナイトブルーの生原酒が出荷されるはず。その前に火入れも出ると良いですね。
そのときは、ぜひ君の隣に。そのときも、ぜひ君の隣に。

私も今年のお酒、楽しみにしています。

いただいたサポートは、モチベーションの維持および酒購入費に充てさせていただきます!!