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ハレの日の酒、ケの日の酒

明けましておめでとうございます。
2021年最初の投稿になりました。
昨年は人類ひどい目に遭いました。そして今年もまだ続いており予断を許さない日々です。
人々の生活を守りつつ、人類の結束を見せつける。
そんな年になればどれだけ良いでしょう。祈っています。

お酒のご紹介です。

天美(てんび)

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山口県下関市にあります長州酒造株式会社
創業は明治4年ですが、天美は2020BY、つまり今記事ご紹介のお酒が初年度の造りとなります。

天美が造られるに至った経緯は上の SAKE Street の記事に詳しく載っていますので、興味のあるかたは是非読んでみてください。

さっそく飲んでみます。

上立ち香は甘い果実味のある吟醸香。
口に含むと舌先にピリッとしたガス、遅れてサイドから酸が感じられてきます。
リンゴを思わせる含み香となだらかな起伏を作る艶のある甘み。時折顔を見せる苦みが全体を引き締めます。
そして圧巻のキレ味です。最後は余韻を待たずシュッといなくなる。
アルコールを飲んでいたことを忘れるような爽やかさです。

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ラベル情報を記載しておきます。

純米吟醸 生原酒
精米歩合:60%
アルコール分:15度(原酒)
製造年月:2021.1
杜氏:藤岡美樹

購入は新潟県長岡市のカネセ商店。

価格は1.8Lで3,000円(税抜)でした。

・・・

私は普段からほぼ毎日、お酒とくに日本酒を好んで飲む人間ですが、どうやら世間的にはそれは一般的ではないようです。

上記は2年以上前の記事ですが、記事中でお酒を飲む頻度についてのアンケートを取った結果が載っています。
ほぼ毎日飲むと回答した人は18.1%。週3~4回程度は11.3%、週1回程度は14.8%。
この1年間は飲んでいないと回答した人が19.1%もいます。

さらに、好きな酒類のランキングでは、1位ビール、2位チューハイ・サワー、3位カクテル、4位ワイン、5位ウイスキー・ハイボールと日本酒は影も形もありません

女性向けファッションサイトのアンケートなので、お酒にウェイトを置いた回答者は少ないとは思いますが、個人的にはおおむね実情に即した結果なんじゃないかなと感じます。
自分の行いがどれだけ特殊なことなのかを思い知らされます。

ただし、日本においてお酒はもともと日常的な飲み物ではありませんでした。
古来、酒はお祭りや儀式といったハレの日の飲み物として振る舞われており、日本人が日常的に晩酌をするようになったのは明治後期以降のようです。

そして現在、また時代が移って、多くの人がお酒を飲むのは日常的な晩酌としてではなく、友人と会うとか、何らかの記念日とか、自分へのご褒美とか、少しのハレを祝うためというのが、ほとんどなのではないか。
それはつまり、お酒が本来のハレの日の飲み物として回帰しているようにも思います。

であれば、その祝いの場において飲むお酒も、やはり古来から日本人に親しまれてきた日本酒を選択肢に入れていただきたいなと思ってしまうのは、多少強引でしょうか。

・・・

2020BYで新星のごとく登場した銘酒「天美」。
今記事では純米吟醸をご紹介していますが、私は異なる規格のものも飲んでおります。
その結果、もう期待しかないです。
今後に期待。
来年度にも期待。
それくらい完成度が高く美味しい。

香りはしっとりと果実味があり、甘みもあり、ラベルのデザインもオシャレで、どう見たってハレの日のお酒なのですが、価格は一升瓶で3,000円ですから「いいの?ケの日にも飲んじゃうよ?」と思ってしまう。
もちろんケの日にも飲めばいいんですけど、ぜひちょっとしたハレの日に、天美を見かけたら飲んでみてほしいですね。
美味いから。

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