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【マチネロス突入…】

台風前に読み終わりそうだった「マチネの終わりに」
結局、台風は来なかったのですが。
あっという間に、読了。

実は後藤、あまり長い文章を読むのが得意ではありません。
読書量と年齢の掛け合わせでいくと、小学四年生が一番本を読んだと言えるくらいに。
特に大学院生時代の論文用に専門書を読む作業がとにかく苦痛で、それ以来、仕事で必要な資料本以外は、長いものはなかなか進まない傾向にございました。

この平野啓一郎「マチネの終わりに」も、仕事で平野先生のことを調べていて、その過程で近著を知ったという感じでして、最初は
「うーん、読んでおいたほうがいいと思うけど、どうなんやろ、読めるかな…」
という感じでした。
しかし。帯コメの「結婚した相手は、人生最愛の人ですか?」に体が反応。(笑)
母校・明治学園の先輩ということもあって過去の作品はいくつか読んでますが、結構難解なので私の脳みそには無理だと思ってたんですけど、なんかこのテーマと周囲の評価を見ていたら、「あれ、これはちょっと…」と気になり気になり…

先月末がありがたいことに珍しく忙殺されまして、読めないと思えば思うほどに想いが募るという感じで、台風を言い訳に購入したのが先週金曜日。

読書が苦手な方はおわかり頂けると思うのですが、最初、ページをめくってもめくっても全然既読ページの幅が増えないときの焦りというか、「終わるんかな…」っていう気分。
(Kindleでいうところの「この本を読み終わるまでに●時間●分」みたいなのが気になるって、読み始めのうち、ありませんか?)


それが、ですよ…
起承転結の「転」のときに気づくんです。
「え…あら…もう残り1/5もない…」
最終章に差し掛かる頃には、
「やだなぁ…もうすぐ読み終わってしまう…」

美しい文体と、インテリジェンス溢れる大人の恋愛。
(拭ってもぬぐってもヤンキーオーラが消えない後藤にとって、「インテリジェンス」という言葉は憧れでございます)
芸術面に秀でた造形の深さや世界情勢の多層な設定。 

エロティシズムに走らずに、感情移入させすぎずに、でもしっかりと近い距離で二人の想いの高まりやすれ違いに共感したりヒリヒリしたりできるんです。
「ずっと読み続けたい」という既出の書評フレーズをまさかまるっとそのまま体感するとは思ってもみませんでした。

過去の平野作品とは一線を画していると思います。
ぜひぜひ!映画化希望!
ストーリー上重要な役割を担っているギターについて監修された福田進一さんが、なんと実際に作曲されてCDまで出ちゃいます。

【Amazon.co.jp限定】 マチネの終わりに (しおり付) 


あぁ…いつ読み直そうかな…

ということで、珍しく長ーい書評でした。
ぜひ、秋の夜長にどうぞ♡(Kindleもあるよ)

 


平野啓一郎『マチネの終わりに』

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