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日本遺産ガイドセミナー:壱岐出張篇

おこんばんは。連休初日、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
「お、ついに後藤がスケジュールを守れなかったぞ」
と林田がワクワクしている様子が目に浮かびますが、〆切は守ります、後藤です。

ということで、先週の宣言通り、壱岐出張篇を勝手にはじめたいと思います。
(先に申し上げておきますが、SNSで旅先の様子はほとんどUPしてしまっているので、本記事に壱岐のコンテンツそのものはほぼ出てきません…たぶんそれ入れたらめっちゃ長くなるので…すみません)


壱岐とはどこにあるのか

壱岐は長崎県の行政区にある「壱岐市」。島まるごとひとつの行政区で、県の振興局も「壱岐」のみでひとつある、というクラスターです。
過去10回ほど渡っておりまして、というかもう数えてないのでわからないのですが、平べったくて丸っこく、農耕民族の島でございます。
(もちろん、漁業もあるよ)

福岡の北西部に位置しておりまして、博多港からは高速船で65分前後(港によって若干違う)とめちゃくちゃ近い島。過去を遡ると、平戸藩にお世話になった経緯があるため長崎県ですが(歴史好きな人からすると割愛しすぎで怒られそうな解説ですが)、行政区的には佐賀県か福岡県であってもおかしくないエリアです。
(事実、壱岐の市外局番は福岡市と同じ「092」で始まります)。

そんな距離感ですので、壱岐の人はめっちゃ博多に遊びに来てます。
週末のコンサートなんて、そもそもが港近辺に会場が密集してますので、むしろ壱岐の人のほうが、福岡県内の南部とか東部とか西部の人より近いくらいです。
かつて、福岡国際センターで開催したイベントのチーフを担当した際、「どこからきましたか?」アンケートを見たところ、壱岐から来ている人があまりにも多くてびっくりしたことを覚えています。

と、そんな壱岐。
よく、全国の天気予報で「壱岐と対馬」とくくられるのですが、これ、かつて行政の方が陳情したけど叶わなかったそう…。

なにがって。
「壱岐と対馬は一緒にされても天気は違うんじゃ!」
というお話。

おわかりになりますでしょうか。
赤い矢印が壱岐、緑の矢印が対馬。
対馬から朝鮮半島は60kmほどでして、お天気のいい日にはきれいに半島が見えます。
一方、壱岐は九州アイランド寄り。
よほど雲が分厚くない限り、九州の北海岸がずーっと見えているのです。

ただ、五島本を書く前からずっと感じていますが、福岡の人であっても、対馬あたりに五島列島があると思っていたり、対馬のある場所を済州島あたりに思っていたりされることもまだまだ多く、島にやたらと縁のある後藤からすると、このあたりの問題は死ぬまで言い続けるしかないのかなと思っております。

という、壱岐に呼ばれて行ってきたのですが、コロナの前の年に行って以来、実に4年ぶりくらいの訪問でした。

今回呼ばれたのは、「日本遺産の更新のため、ガイドさんたちにセミナーをしてほしい」というご依頼。

思えばこの日本遺産に、後藤はえらく縁があります。

日本遺産とは

「日本遺産(Japan Heritage)」は地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として文化庁が認定するもの。

ストーリーを語る上で欠かせない魅力溢れる有形や無形の様々な文化財群を,地域が主体となって総合的に整備・活用し,国内だけでなく海外へも戦略的に発信していくことにより,地域の活性化を図ることを目的としています。

世界遺産や文化財指定との違い

世界遺産登録や文化財指定は,文化財や文化遺産の価値を認めて、保護することを目的とするものです。
一方で日本遺産は,地域に点在する遺産を「面」として活用し,発信することで,地域活性化を図ることを目的としています。

●目的の違い
世界遺産:保護する
日本遺産:活用し地域を活性化する

世界遺産登録や文化財指定は, いずれも登録・指定される文化財(文化遺産)の価値付けを行い, 保護を担保することを目的とするものです。一方で日本遺産は, 既存の文化財の価値付けや保全のための新たな規制を図ることを目的としたものではなく, 地域に点在する遺産を「面」として活用し, 発信することで, 地域活性化を図ることを目的としている点に違いがあります。

* * *

と、ここまではググれば誰でもわかることなのですが、とはいえJAPANな国民でこの「日本遺産」のことを認識しているのは、おそらく観光関係に携わったことのある人だけかなと思います。

2015年に募集をスタートし、2020年までに100件を目標とされていたこの「日本遺産」、結果として104件の文化財群が認定されました。

ということで、まぁ平たく言うと予算がシュリンクするので、全件そのまま更新はできまへんで、ということなんでしょう。
時間がない中でありかつ、コンテンツの捉え方をガイドさんに伝えてほしいというオーダーであったので、なんとなく、そんな感じの資料をこしらえました。

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