第7話:顧客の苦痛、課題発見「私はその瞬間を、この目でこの身体で確かに感じた」——小説で読む起業
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第7話:顧客の苦痛、課題発見「私はその瞬間を、この目でこの身体で確かに感じた」——小説で読む起業洋子は、社内の定例ミーティングの前に、先週の売上を確認していた。
先週の注文件数は、1週間で25件。平均単価がざっと1万円なので、売上はたった25万円。借り入れとエンジェル投資家から総額2000万円の調達をしていたが、残りのキャッシュは200万円を切ろうとしていた。
洋子自身の報酬はほぼ無給にしていたが、社員や業務委託のインテリアコーディネーターへの支払