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産前産後休業・育児休業中の社会保険料の免除期間について分かりやすく解説

今回は産前産後休業、育児休業中の社会保険料の免除についてご紹介します。産前産後休業、育児休業中に社会保険料の免除の手続きをすると、社員、会社どちらの負担分も免除になります。なお、この免除期間は将来、被保険者の年金額を計算する際は保険料を納めた期間として扱われます。



産前産後休業中の社会保険料の免除


産前休業は、出産予定日を含めて6週間(42日)、産後休業は出産日の翌日から8週(56日)間です。この間に仕事につかず、給与が発生していない場合は社会保険料の免除を受けられます。

免除期間

産前休業の開始月から、産後休業終了予定日の翌日の属する月の前月まで
(産前産後休業終了予定日が月の末日の場合は産前産後休業終了月まで)

例1
産前休業開始日:12月25日
出産予定日:2月4日
産後休業終了予定日:4月1日

→12月分から3月分まで免除
社会保険料が翌月徴収の会社の場合は1月支給分の給与から4月支給分の給与まで、社会保険料が免除になるということになります。

例2
産前休業開始日:12月24日
出産予定日:2月3日
産後休業終了予定日:3月31日

→12月分から3月分まで免除

例3
産前休業開始日:12月23日
出産予定日:2月2日
産後休業終了予定日:3月30日

→12月分から2月分まで免除


必要な手続き

健康保険・厚生年金保険産前産後休業取得者申出書
会社が、管轄の年金事務所または事務センターに届け出ます。


育児休業中の社会保険料の免除


子供が3歳になるまで育児休業期間中は社会保険料の免除が受けられます。


免除期間

育児休業等の開始日の属する月から終了日の翌日が属する月の前月まで
同月内に育児休業を開始、終了した場合は、14日以上休業を取得していれば、その月の社会保険料が免除になります。(令和4年10月1日以降に開始した育児休業等に限る)。


必要な手続き

健康保険・厚生年金保険 育児休業等取得者申出書
会社が、管轄の年金事務所または事務センターに届け出ます。
1歳まで、1歳半まで、2歳まで、3歳までの区切りごとに申請を行います。


賞与にかかる社会保険料の免除


育児休業中に支払った賞与にかかる社会保険料も免除になる場合があります。
賞与を支払った月の末日を含んだ連続した1か月を超える育児休業等を取得した場合は免除になります。1か月を超えるかは暦日で判断し、土日等の休日も期間に含みます。

例1
賞与支払日:4月10日
育児休業期間:4月15日から5月14日
→4月の末日を含み、1箇月を超えて休業を取得しているので免除になる

例2
賞与支払日:4月10日
育児休業期間:4月15日から5月10日
→1箇月を超えて休業を取得していないので免除にならない

例3
賞与支払日:4月10日
育児休業期間:3月15日から4月16日
→4月の末日を含まないので免除にならない


必要な手続き

育児休業等取得者申出書を届け出ていれば特に賞与に対する免除の手続きは必要ありません。
賞与を支払った他の社員と同様に被保険者賞与支払届を提出します。


産前産後休業、育児休業が終了した後の社会保険料


健康保険・厚生年金保険 産前産後休業(育児休業等)終了時報酬月額変更届

休業から復職後に残業が減った、勤務時間が減ったことなどにより、産前産後休業、育児休業前よりも給与の額が減った場合に、随時改定(月額変更)とは違う要件で標準報酬月額の改定を行うことができます。


厚生年金保険 養育期間標準報酬月額特例(養育特例)

上記の手続きによって標準報酬月額が下がった場合、休業に入る前の標準報酬月額に基づく年金額を受け取ることができる措置があります。養育期間中の報酬の低下が将来の年金額に影響しないよう、より高い従前の標準報酬月額をその期間の標準報酬月額とみなして年金額を計算します。


まとめ

産前産後休業中、育児休業中の社会保険料はその休業期間によって免除になる期間も様々です。多く徴収しすぎてしまった、徴収が漏れてしまった、というようなことがないように、休業に入る社員の免除対象期間をしっかりと把握しましょう。



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