ゴーストワールド

「ダメに生きる」というキャッチコピーに惹かれて観てしまった。
確かに面白いけれど、それほど客観的ではいられなかったせいか、いまいち楽しい気分にはさせてくれない。でも、あとを引く、いい映画だと思う。
大好きな服とメイクで完全武装し、周囲の人を手当たり次第傷つける。主体的な行動、自由の満喫。なのに気分は晴れないどころか、どんどん自己嫌悪に陥り、苛立つ。そんなやり場のない痛みに自己完結的に苦しむ主人公イーニド。自分の繊細さは大事にするくせに、どうして他者の心の脆さは理解できないのだろう、理解しようともしないのだろう。でもそんなイーニドは少し自分に重なるところもあり、ストーリーを追いながら反省にも似た気持ちを抱いてちょっと胸が痛くなった。
主役を演じた「本当は美少女」のソーラ・バーチは見事だし、ファッションも音楽も最高。変に甘くならずに最後まで潔く駆け抜けるストーリーもかっこいい。

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